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Musk氏のTwitter 買収劇、アメリカ報道

Musk氏のTwitter買収を巡り、世界中が騒いでいるが、アメリカの代表的メディアのNewYork Times紙はどのように億万長者・ビリオネアーをアメリカ社会を作り出してきているのかの良い例だとしている。Musk氏は自らを「言論の自由」の絶対的な信奉者と言い、そのため、現在のソ-シャルメディアに不満を持っていた。Musk氏はMeta社のMark Zuckerbergを、権力を持ちすぎているとして、ルイ14世にちなみ、Mark Zuckerberg the 14thだと揶揄している(笑えるが)。
それではMusk氏はどうか?Twitter社買収により、完全なプライベート企業となり自分が所有者としてやりたい放題出来るようになる。トランプ前大統領も戻るかもしれない。(トランプ自身は自前で作ったソーシャルメディアに専念する為Twitterには戻らないと言っている。)Musk氏のSpace Xの事業は米国防衛省との契約で成立している。Teslaは今後充電ステーションのインフラ事業で、政府から相当な資金援助を受ける予定でもある。また、Boring Companyでも地下建設に当たり、政府との共同事業となる。彼の事業は国家・政治家と共にあるようなので、彼は国民の税金で富を得たようなものと陰口を叩かれるが、その彼がTwitterを使い、あたかも言論の自由の王様のような態度でやりたい放題やるのかと、アメリカでは注目が集まっている。
Forbes紙では、Musk氏がTwitterを所有する事により、中国から直接的、間接的影響を受ける懸念を心配している。Musk氏は言論の自由は民主主義の要であり、Twitterは人類の将来を議論する大きなTown Squareだと述べている。言論の自由がない中国政府は、政府批判を厳しく取り締まり、2009年にTwitterは禁止されており、結果、中国政府はTwitterに対し何の影響力も持っていなかったが、今回のMusk氏の Twitter買収により、 NY Timesの記者は潮目が変わったかもしれないと述べており、Jeff Bezos氏も “Did the Chinese Government just gain a bit of leverage over the town square?”とツイートしている始末だ。
この背後には、明らかにMusk氏が中国政府から特別待遇を受けていることが挙げられる。Tesla社は上海に自社工場を操業した事により、中国は世界で最も生産台数が大きく、世界で2番目の売上の国となった。通常中国で自動車生産工場を作る場合、中国政府は中国の車メーカーとのジョイントベンチャーを義務付けてきた。これはGM、Ford、VW、Toyotaの全てそうである。ところが不思議なことにTesla社は独自の100%の工場を建てる事ができたのである。Musk氏は2020年パンデミックによりカリフォルニア州のTesla工場が強制的に閉鎖された時は、カリフォルニア州政府をファシストと呼び、反民主主義だ、自由を戻せと騒ぎ、ツイートしていたが、この度、コロナで上海工場が3週間の閉鎖を余儀なくされた時は中国政府に対し何の反論もしていないのである。
Musk氏は中国で車を売ることだけを考えているようだが、もし中国政府が香港の反政府活動家や、ウイグル人のTwitterアカウントの情報をだせとか、中国政府のプロパンガンダをTwitterのプラットフォームに入れろと要求してきたらどうするのか?Musk氏が中国政府批判をするようなら、中国政府はTeslaの工場を一方的に、いとも簡単に没収するのは明白である。
今回のTwitter社の買収額は440億ドル(5兆8000億円)、Musk氏は210億ドルの現金及び255億ドルの借入金での用意が出来たと言っている。この借入金だが、125億ドル(1兆6000億円)はMusk氏のTesla株を担保とした銀行団からの借入金である、もしTesla株が下がると追加保証金に迫られる。最近株価は低迷しており、今後本当にTwitter買収が完了できるか、今後Teslaの株価に注意する必要がある。また、あまり報道されていないが、今回の銀行団に三菱UFGが42億ドル(5400億円)、 みずほ銀行が12.3億ドル(1500億円)融資に参加している事にも、注目に値する事実である。

推薦図書。
野口悠紀雄著 「日本が先進国から脱落する日」 プレジデント社 1870円+税
少し昔、日本人は香港、台湾や韓国に行って買い物をする、それは同じものを買うのに極端に安いからだった。今は逆で、隣国が日本で買い物をするのは安いからである。日本経済の停滞が危機的な段階に達している。日本の賃金はアメリカの半分、韓国よりも低い。日本より賃金が低い国はギリシャ、イタリア、スペイン、チリぐらいなものだ。つまり日本はアベノミクスの間に急速に貧しくなったことになる。これは円安誘導が原因である。円安になれば輸出企業の利益が増え、株価が上がるからだ。自動車などドルベースで、ドル定価にて輸出しても円換算では利益が上がる。株価も上がる。円安になるだけで利益が上がる仕組みだ。しかし労働者の日本での賃金が上がらないので、労働者がアメリカで買えるものは減る。ドルで評価された労働者の賃金は減る。つまりアベノミクスは賃金を下げ株価を上げたのである。そしたらどうしたらこの現状から脱却できるのか、それはGAMMA(グーグル、アップル、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アマゾン)を牽引するアメリカに学ばなければならない。この5社で時価総額は10兆ドル(1200兆円)。5社で日本企業4000千社に上る上場企業の時価総額の1.4倍である。産業構造の転換が急務の日本であるが、気づいている日本人は少ないと。
私もゆとり教育や労働時間の規制など、資源がない国でのGDP増加策を、もっと政治家が主導すべきではないかと思う。あと数年すれば経済はラオス、カンボジアに抜かれるのではないか

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