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政権交代で税制はどうなるのか?

例年、来年度税制改正の与党税制改正大綱は12月中旬に公表される。しかし師走の衆議院選挙となり、しかも政権与党がひっくり返って、野党の自民党が政権を取り、12月26日に安倍内閣がスタートすることになった。当然のことながら、12月中旬に公表される来年度税制改正大綱は、年内に出ることはない。自民党税制調査会長は野田氏のままだが、氏の発表によると来年1月下旬になるらしい。

すると、1月初旬から平成25年度税制改正と税制抜本改革に向けた党税調の議論が行われる。そこで今年8月に成立した消費税改正、つまり平成26年4月から8%、平成27年10月から10%に引き上げるのだが、公明党の強い要望で食料品に対する複数税率の導入の問題がある。低所得者に配慮し、消費税率を8%、10%に上げるが食料品については5%を据え置くとか、医療については消費税をかけないとかである。だんだん複雑性を増すが、今の課税方式では限度がある。欧米並みのインボイス方式を導入しなければ現場は混乱するだけだ。

また相続税、贈与税の税率引き上げや基礎控除引き下げは来年度には間に合わない。しかし消費税率引き上げまでに、富裕層増税を行わなければ整合性がつかないと自民党が考えれば、来年3月までに改正案が国会に提出されると可能になる。かつての山中貞則自民税調会長のように、野田氏は剛腕を振るえるか。

いずれにしても、自民党政権になっても消費税、相続税、所得税、どれ一つとして減税はない。個人にとっては、世界で最も税負担の大きい国になりそうである。フランスもそうだがフランスの場合、他のユーロ圏に脱出する富裕者が後を絶たないが、日本は島国なのでそうはなるまい。

 

☆ 推薦図書 ☆

A・V・バナジー、E・デュフロ著 山形浩夫訳 『貧乏人の経済学』 みすず書房 3,150円
これは、もう一度貧困問題を根っこから考えるという発想の元に著者が訴えた本でもある。従来の貧困問題分析は誤っている、誤解されているというもの。今までの同類の本は、これという解決策が見つかれば、貧困問題が解消できると考えている。それでは貧しい人々が直面する複雑な問題や、彼らの生活の中にある巧みさを捉えきれない。本書は15年にわたって貧困者の生活調査を実施し、ランダム化、対照試行(RCT)という方法論に基づいて、国の政策に彼らがどう反応するかを調査したものである。正月に久しぶりにワールドワイドな、アカデミックな本を求める者にとっては嬉しい本である。

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