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みずほ銀行、ケイマンSPCのタックスヘイブン税制適用で敗訴、東京地裁

ケイマンSPCへの「タックスヘイブン税制」適用を巡り、みずほ銀行敗訴
最近話題のみずほ銀行がケイマンに設立したSPC(特別目的会社)にかかるタックスヘイブン税制(CFC税制)の適用が争われた事件で、東京地方裁判所民事51部(清水知恵子裁判長)は、このほど国税局が下した課税処分を適法と認め、みずほ銀行の請求を棄却した。ただし今回のブログは専門的すぎるので、理解不可能なところはご容赦いただきたい。
この事件は、みずほ銀行がケイマンの子会社SPCの普通株式のすべてを保有し、みずほFGの100%子SPCが優先出資証券のすべてを保有していた。みずほ銀行が劣後ローンを子SPCに返済すると同時に、子SPCが本件優先出資証券のすべてを、みずほFGの子SPCに償還したため、子SPCの事業年度末における株式等は、みずほ銀行が保有する株式のみとなっていた。これでは100%子会社である。タックスヘイブン税制の適用を受けるのみであるが、みずほ銀行は、「事業年度末の状況はたまたま生じた形式的な状況に過ぎず、本件資金調達スキームはバーゼルⅡ規制に対応するための方法として邦銀で広く採用されていた方法であり、また、子SPCの獲得した所得はすべて優先出資証券について配当され、みずほ銀行には帰属しないことから、租税回避の実態を伴うものではないなどと反論し、本件は「目的論敵解釈」により、期中(本件優先出資証券の償還前)における「請求権勘案保有株式割合」0%に課税対象金額を算定すべきだと主張した。東京地裁は、請求権勘案保有株式等を判断すべき時点について、租税特別措置法施行令39条の16①、2-の規定の分離から「SPCの事業年度末」との判断をしたうえで、「みずほ銀行の保有割合は100%」としてみずほ銀行の主張を退けた。すなわち「文理解釈」である。日本は租税法律主義であり、したがって「文理解釈」。みずほ銀行が言う、たまたま事業年度末に100%になったが、すぐに解消して0%になる。脱税なんか考えていないので、四角四面に適用しないで、全体のスキームを見てほしい、結果脱税は無かったでしょうという、「目的論的解釈」を主張したが駄目であった。管首相の長男の件で東北新社の株主の外資が20%を超えていたことが発覚して免許が取り消された件と同様である、経営者は知らなかったにせよ、法にはそう書いてある。「文理解釈」である。国税局が逆に「目的論的解釈」を持ちだして、裁判をする場合は、結果が怪しい、武富士事件などが、その代表である。しかし「文理解釈」を持ちだして、争うとなると勝つ。このみずほ銀行のスキームも大したことではないが、それよりもみずほ銀行側の税務コンサルタントはあまりにもお粗末である。このような節税スキームが通るのなら苦労はしない。みずほ銀行は、やはり緩んでいるのだろう。

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ファリード・ザカリア著 上原裕美子訳 「パンデミック後の世界 10の教訓」日経BP 2000円+税
新型コロナ感染症爆発がもたらすものとは?この本はワシントンポストのコラムニストの著である。新型コロナは、ほとんどの国がパンデミックに備えていないという状況で発生した。これほどまでの苦しむ体験をしたことのない人間の多くは、初めてパンデミックを知った。今回の経験を経た我々は、新しい時代、パンデミック後の世界を生きることになる。それはどのような世界なのか。
1918年のスペイン風邪の収束後、世の中の人々の働き方や生活は以前と変わらなかった。働くためには職場にいなければならなかったからだ。現在はデジタル化が普及し、仕事の大半は通勤せずに済ませられる。従ってパンデミック前の世界に完全に戻らない。グローバルな不平等、富裕国と貧窮国の間の所得格差が再び急拡大する。同様に、企業においても不平等は広がる。なぜなら、今日の経済ではビッグであることが何よりの強みであるからだ。規模は競争優位を与える。大手企業は与信枠が大きいので、社会情勢が不安なときも耐えしのぎやすい。新型コロナはビッグなものをより、さらにビッグにしていく。歴史を振り返れば、教訓ははっきりしている。不平等の改革がなされないなら、次に革命が起きている。と

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