ブログ

アメリカ富裕層、コロナ下での急回復

先月末にNY Timesがトランプ大統領の税務申告書を入手したと報道があった。トランプ大統領は過去18年間の内11年は税金を払ってなく、大統領に就任後の2017年及び2018年はわずか750ドル(8万円)の税金を払っているが、なぜ2年続けて750ドルかは不思議だ。彼はもちろん税金を払った年もあり、その合計額は9500万ドル(100億円)になるが、Atlantic Cityのカジノの失敗による損失を計上した為、7290万ドル(80億円)の税金の還付金を受け取っている。IRSはこの還付に問題ありとして税務調査を行ったようだ。驚くべきことに、現在でもこの税務調査は進行中ということで、トランプ大統領は、このため確定申告書の開示は出来ないとしてきている。更には自宅の家や個人で使用するジェット機の維持費、Apprentice出演していた頃は散髪代金(7万ドル)を経費計上し、控除しているが、これはビジネス経費ではなく個人の費用でもある為、IRSの税務調査の対象になっている。
富裕層も 税金を払わなく、且つ還付金を72.9百万ドルもらえればどんな経済不況下にあっても影響は少ないと考えられるが、 この前のWall Street Journalによれば、Net Worthが3000万ドル(31億円)以上のアメリカ超富裕層がこのパンデミックの最中、世界中のどの超富裕層よりも富の回復が早いと報道している。アメリカの富裕層調査機関Wealth X社によれば今年8月時点での超富裕層の資産状況は殆どパンデミック前に戻っているとしている。同社によれば、2019年末時点と比較しアメリカの超富裕層資産が3%減少しているのに対して、海外の超富裕層の資産はまだ9%も減少したままであり、アメリカの資産回復度が早いことがわかる。
因みにNet Worth 3000万ドル以上の超富裕層の世界のランキングでは2019年度は1位アメリカ9万3790人、2位中国2万7755人、3位日本1万9820人、4位ドイツ1万5960人、5位カナダ1万1285人、6位フランス1万1000人、7位香港9955人、8位イギリス9690人、9位スイス7200人、10位インド6515人となっている。香港は国でもなく、今や中国の一都市なので、それと合わせてもアメリカの数字にはとても追いつかない。また、カナダも人口のわりに超富裕層が厚いことが驚きである。更に都市別では、1位ニューヨーク、2位香港、3位東京、4位ロサンゼルス、5位パリ、6位ロンドン、7位シカゴ、8位サンフランシスコ、9位ワシントンD.C. 10位ダラスとなっており、圧倒的にアメリカの都市が多いことがわかる。
パンデミック最中のこの回復の速さは、主に、株式市場の回復によるもので、パンデミック当初の損失を殆ど全て回復して余りある、ニューヨークの市場への世界からの資金移動であることがわかる。典型的なリセッションと違い超富裕層に対する損失が先行した分回復も早かったようである。アメリカ政府による経済刺激及び援助策が功を奏した形となっており、株式市場の回復により、富裕層の富の創造に新たな機会が生まれたと考えられている。援助なり給付金など全て赤字国債に頼った日本との違いであろう。しかし、現在NYのマンハッタン不動産市場は大変厳しい状況にある。今年の第三四半期の居住用売却数は前年同期に比べると463%減少しており、20カ月以上の在庫がある状況だそうだ。しかしながら、500万ドル(5億円)以上の物件では減少率はわずか23.2%にとどまっており、超富裕層がある程度活発に売買していることがこの数値でもわかる。今回のパンデミックにより益々持てる者と持たざる者の貧富の格差が広がるというアメリカメディアの見解である。

☆ 推薦図書 ☆
遠藤誉/白井一成共著 中国問題グローバル研究所編 「ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元」 実業之日本社 1800円+税
2020年5月新型コロナウイルス感染症のアメリカにおける感染者が160万人に、一方中国の新規感染者は激減した。コロナに関して、人類を破滅の危機に追いやっているのは、中国国家主席習近平であり、彼に忖度したWHO事務局長のテドロスであることは論を俟たない。今年1月23日、WHOは習近平のために「緊急事態宣言」を延期した。この延期は国際世論から激しい批判を受けたため、テドロスは実態を調査すると言って1月28日に中国入りした。だが行った先は北京であり、コロナの震源地、武漢ではなかった。現地調査をしたのではなく習近平に会いに行ったのだ。テドロスはエチオピア人。エチオピアの最大の出資国は中国で、彼をWHOの事務局長にするために最大に動いた。宣言が遅れたためにウイルスを持った中国人が全世界に散らばっていったのだから、その罪は大きい。さらに5月、習近平は香港の自由を侵害したとして、アメリカは香港から金融の自由を奪った。結果、中国企業はドル調達が困難になりつつある。習近平はそのためにデジタル通貨、デジタル人民元の発行を研究していて、基軸通貨ドルにとって代わろうとしている。

関連記事

  1. 40年ぶりの改正相続法、混乱必至
  2. 日本人の外国籍利用による贈与税回避を封じる
  3. ここまでやるか富裕層いじめ、日本の税制改正
  4. 国税庁、査察の事績を公表
  5. 日本の相続法が変わる。配偶者有利に
  6. 平成27年度税制、アメリカはどうか
  7. IBMの税金訴訟、国が敗ける
  8. 相続税収入は自然増?

アーカイブ

PAGE TOP