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同性結婚は認められるのか?アメリカ最高裁

☆ 今週の推薦図書 ☆
鈴木喬著 『社長は少しバカがいい。』 WAVE出版 1,470円
1998年当時、日本生命から経営不振に陥っていたエステーの社長に就任した氏が最初にしたのは、不良在庫は全て捨てろと命じたこと。だが社員は、それを作った社員の責任追及の心配から捨てない。そこで、責任は問わないから捨てろと言った。しかし動かない。そこで、自ら物流センターに乗り込み、こんなホコリを被った商品は捨てろと、怒声を上げ続けた。その結果、1人、2人と捨てる社員がやっと出てきた。要するに、社員が社長の気持ちをわかってくれるまでは、社長はバカになって怒鳴り散らすというパフォーマンスを続けなければならないという。バカげたことをしなければならない、社長業とはつまり、忍耐業。社長は多忙すぎる。したがって、社長にしかできないことしかやらないことであるともしている。

 

この前、アメリカ最高裁判所で事情聴取が2件あった。一つは、2008年にカリフォルニア州で同性婚を認めるか否かの投票の結果、認めないとする、いわゆる同性婚を禁止する法律(Prop. 8)、もう一つは、全く同性結婚を禁止している連邦法(Defense of Marriage Act, いわゆるDOMA)。DOMAは、配偶者とは夫もしくは妻の反対の性であると規定している。DOMAの法律が成立したのは何も古い話ではなく、クリントン大統領時代の1996年である。

ところが今、ワシントンDCの最高裁判所前で同性結婚賛成派と反対派が共に集結し、大変な騒ぎになっている。何故かというと、カリフォルニア州では2004年にも同性結婚の是非の住民投票があって、60%以上の反対で認められなかったが、当時の州知事のアーノルドシュワルツェネッガーが共和党のくせに、州政府は同性結婚を支援するということでProp. 8をDefendしないという立場をとった。そこで、保守派グループがProp. 8をDefendするべきだとして、カリフォルニア州の最高裁まで行ったが、そこで負けた。しかし、そこで上告され、連邦の裁判所まで行き、さらに今回ワシントンDCの最高裁判所まできたのである。

オバマ大統領は、現在の同性結婚を認めないという連邦法をDefendしないと言っている。これに対し、Chief of justiceであり保守派のロバーツ裁判官は、オバマ大統領は人気が落ちるのを恐れての政治的な発言だと言っている。しかし多数のアメリカ人は、法の下の平等という考え方からは異性、同性の分け隔てなく同等の権利を与えるべきという意見は理解できるが、それはMarriageではなくCivil Unionで良いではないかと考えている。

では何故、Marriageにそんなに拘るのか。それは只一つ、「お金」の問題である。つまり夫婦であれば税金が優遇されるのである。

この同性結婚の問題の発端は、同性結婚が認められている州(8州ある)に住むゲイ夫婦の片方が死亡し、もう一方のゲイが相続税36万3000ドルの支払をIRSから命じられたのだ。アメリカでは夫婦の片方が亡くなって、片方がいくら相続をしたとしても無税である(日本は2分の1が限度)。このゲイは州で認められた結婚であるので配偶者間の相続は無税である、これはゲイに対する差別であるという訴訟を起こし最高裁まで争った。通常、夫婦ではジョイントの申告をアメリカではするが、このゲイ夫婦は州の申告ではジョイントの申告ができるが、連邦の申告では独身の申告である。その他、将来受け取る年金や健康保険も、連邦に関わる全ての夫婦間の特典が認められていないのである。

日本ではカネは夫婦間でも別、アメリカは片方が稼いだカネでも夫婦共有である。ゲイ夫婦が認められれば相続税や贈与税に大きく影響する。
この結末は今年の夏、DCの最高裁判所で言い渡されるが、保守派のChief of justice ロバーツ裁判官がどう判断するのか。アメリカの今後の税収にも影響するところ、熱いアメリカになりそうである。

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