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全世界的な少子化現象とアメリカ発の見解

最近2023年度の日本の出生率が1.2、東京では1.0を割ったという報道があった。少子化が止まらない、先日のウオールストリートジャーナル(Wall Street Journal)では少子化は全世界的に進んでいるという記事が載っていた。この全世界的な出生率は、1950年では4.86だったのが、2021年には2.32まで低下してきている、人口維持が可能とされる人口置換率は全世界で2.2とされている。因みに2023年度のアメリカの出生率は1.62である。
歴史家によれば、先進国での出生率の低下は既に18世紀にはじまっており、寿命が延びて、子供が成人するまで、親が生きている確率が高くなった為、子供を多く生む必要性がなくなったと考えられるという。また女性が教育を受け、社会進出が大きくなると、晩婚化が進み、その結果少子化になるとも言われているが、詳しい原因はわかっていないようだ。
この現象は現在の発展途上国でも起きつつあり、有権者が10億人いるこの度の総選挙の国、インドでも1980年代の出生率は5.0弱であったものが、2023年では2.0まで低下、メキシコも同様で1980年代には5.0弱だったものが1.8まで低下している。アフリカの出生率はいまだ4.0-5.0という国もあるが、都市化及び避妊が進み、この出生率は大幅に鈍化すると予測されている。2017年国連によれば、世界人口は76億人で2100年には112億人まで膨らむと予想していたが、2022年の発表では、世界人口は2080年代104億人となりピークを迎えると変更していた。別の統計では、少子化は更に進み、全世界人口は2061年に95億人でピークを迎え、その後急速に減少するとも言われている。
アメリカでは、長期にわたりこの少子化問題を研究しており、各州の中絶制度、失業状況、保険制度、避妊薬の利用、宗教、育児施設環境、家のコスト、学生ローンの利用度、収入、教育制度、労働力を調べてきているが、これといった少子化原因との関係性が見つかっていないのが現況だ。最近では、寧ろ親が子供に手をかけすぎて、多くの子供を育てられないとも言われている。日本でも2005年に出生率が1.26となり、当時猪口邦子議員が少子化大臣となり、必要なのは「お金」だということで、出産費用無償化、出産給付金等を勧めたが、現在ではお金ではなく「時間」だということで、週休3日制度を推奨している有様だ。
出生率の低下は、地域の学校や病院の閉鎖、地価の下落からその国の経済の停滞、年金制度の崩壊、移民との摩擦を引き起こし、将来的には、アメリカ、中国、ロシアという超大国の地位もゆるぎかねない状況となるとも言われている。しかし、この問題は人間の生き方や子供の育て方にも関わる話なので直接的な解決策がないのも事実である。但し、現実には2040年には日本の労働力不足は1100万にとも言われ、少子高齢社会の老人介護をする人が徹底的に不足する近未来の恐怖を解決しなければならない。政治資金規正法も結構だが、野党はもっと現実にある国民の悩みに答える話題を国に提供しなければ、万年野党のそしりは免れないだろう。都知事選でも、ぜひ取り上げていただきたい政策である。

☆ 推薦図書。
野口友紀雄著 「日本の税は不公平」 PHP新書 1210円
著者は有名な元大蔵官僚で東大教授などを歴任した経済学者でもある。このブログでも数冊は著者の本を取り上げている。今回のテーマは自民党派閥の裏金問題が暴露され、国民の怒りが爆発した。それでは国民は何に対して怒っているのか、受け取った資金を政治資金収支報告書に記載しなかったことか?それもあるが、一番の問題は巨額の資金を受け取りながら、それを税務申告せず、全く税金を払っていなかったことに怒っているのではないか。なぜこのような不公平がまかり通るのか、そもそも日本の税制は「公平な税制」なのか、裏金事件を入り口に、この本は日本のあるべき税制・財源論を検証する1冊になっている。例えば政治家のパーティー券収入は事実上非課税扱いである、パーティー券収入は、実は税法上の明確な規定がない、事実上そうした扱いになっているのだ、つまり税の対象である「収益事業」ではなく、パーティー券収入は非課税となっているが、公益法人の活動は非課税だが、政治団体は公益法人ではない、これ以外にも政治団体が会費や寄附金を受け取った場合、それにも税金がかからない。なぜ非課税だろうか、政治家は政治活動は社会的に有意義だというが、それでは誰でも「私の仕事は社会的に有意義だから、非課税なのだ」の論理が通る。この本はさすが元官僚だけあって法律論を楯に今回の政治資金問題を扱っている。一気に読める新書版である

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