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スイスの銀行、今や透明度世界一

ウォールストリート誌などによると、世界で名だたる大物オフショアアドバイザーで、スイスのチューリッヒにあるNiederer, Kraft & Frey法律事務所の元弁護士エドガー・パルザーは、ニューヨーク連邦裁判所で脱税幇助の罪を認め、長くて5年の懲役刑とプラス罰金になることが決まった。これまで米国隠匿罪でアメリカから起訴されているこの種のアドバイザーは30人以上になるが、彼ほどの大物アドバイザーはいないと言われている。また、彼は自分の罪を軽くしたいため、クライアントのオフショアの秘密口座をどんどん暴露しているので、隠匿している彼のクライアントはたまったものではない。

 

今回のケースでは連邦裁はチューリッヒにあるUBSの5つの金庫を差し押さえ、さらにチューリッヒから資金を隠匿するためにブリティッシュ・ヴァージン島及びパナマのオフショアにある信託などに金が流れ、しかも暗号をメールで使っていた。例えばPostcardはPaymentsを意味し、Rental IncomeはClient’s Account Balanceを指すという具合。彼は用心深く76000ドルの送金をするにも9つの小切手に分け、支払先も3家族に分散させる。しかも客に会うにもスイスを避け、隣国のフランスやイタリアで会うという具合に。

 

また、パルザーは脱税した金で美術品や宝石を購入するアドバイスをしており、例えば何億円かでダイヤをスイスの宝石商で購入させ、その弟がアメリカコネチカットで宝石商をしていて、そこまで飛行機で持って行き、換金させ、またそのダイヤを元のスイスに戻すという、非常にこまめな脱税の手助けを繰り返していた。

 

彼は、アメリカ人のアメリカでの脱税に対してアドバイスをしたわけだが、スイスの脱税に関与したわけではないので、スイスの法に抵触していない。そのためスイスでは罪に問われていない。

 

アメリカのIRSはこれまで55億ドル(5500億円)の追徴課税を打ち、アメリカ人の脱税に加担したスイスで最も古い銀行Wegelin &Coをアメリカ連邦裁で12億ドル(1200億円)の隠匿を認めさせ、ついに閉鎖に追い込んだ。アメリカIRSの凄まじいまでのスイスでの個人脱税調査は鬼気迫るものがあり、次々に逮捕者が出て、その数100人超。しかし、今まで出なかった脱税犯がいとも簡単に続々出てきたのは何でなんだろうか。

 

これはスイス政府とスイスの銀行がアメリカに協力したからである。スイス政府は個人の秘密を守るより、アメリカの言うことを聞く方が得だと思ったのである。あまりのスイスの政策転換ぶりに預金者の解約が相次ぎ、現在、スイスのプライベートバンクの売り物が多くなっている。名前は言えないが、日本人にも一つスイスの銀行を買った者もいる。永い歴史のスイスのプライベートバンクも幕を下ろした。筆者も長い間関わってきただけに一抹の寂しさを感じる。

 

 

☆ 推薦図書 ☆

西川有司著 『資源循環革命』 ビーケイミー 1,890円

現代社会は世界中、大量生産という企業モデルである。そのために地球上あらゆる地域、国で大規模な企業が出現し、多くの富を独占するかたちになり、これが大きな格差社会をつくっている。

日本はエネルギーや資源の乏しい国で、今まで加工産業立国として成り立ってきたが、世界の資源争奪戦を生き残るには、資源のリサイクルであると著者は言う。つまり、使用済みの廃棄物を素材に還元できれば、資源は半永久的に循環する。日本がそれを実現できれば、日本は第2次産業革命を起こすことが可能になるとしている。

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