ブログ

トランプ税制、中小企業のための手厚い節税策

トランプ大統領は昨年、高々とOne Big Beautiful Bill (OBBBA)を立ち上げ、税務上、大きな影響をアメリカに与えた。そして適格小規模事業株式制度(Qualified Small Business Stok=QSBS)が大幅に拡充された。QSBSとは、一定の条件を満たすベンチャー企業の株式を売却した際の株式譲渡益、キャピタルゲインの全部または一部を非課税に出来る制度であるが、トランプ税制のOBBBAにより大幅に適用拡大された。大きくは3つあり①この制度を受けるための株式保有期間の短縮②譲渡益課税から除外できるキャピタルゲインの上限の引き上げ③QSBS発行可能な企業の規模の拡大。三つである。
① であるが、改正前は100%非課税になるには5年以上保有しなければならなかったが、2025年7月4日以降に取得した株式である場合には、3年以上で50%、4年以上で75%、5年以上で100%非課税となる。②の非課税枠であるが、改正前は1000万ドル(15億円)又は取得価額の10倍か、いずれか大きい額であったのが、改正後は1500万ドル(23億円)又は取得価額の10倍かいずれか大きい額となる。③発行会社の総資産上限が5000万ドル(75億円)であったのが、改正後は7500万ドル(11億円)となり、大きなスタートアップ企業でもQSBSによる非課税枠内譲渡ができるようになった。この制度は、途中でもM&AやIPOがあった場合でも活用できる。日本にはない、このQSBSによる非課税制度を活用するべく、アメリカで同様の事を行って、アメリカで売却益が100%非課税になっても、日本では普通の株式譲渡益と認識され課税されるので要注意である。
一方、日本での株式投資非課税適用を考えると、ベンチャー企業への投資に関するエンジェル税制で一定の要件を満たす場合でも税額軽減や課税繰り延べでしかない。非課税となると、NISA口座内の上場株式譲渡で発生した株式譲渡益しかなく、アメリカのそれとは比べようもない。トランプ大統領もなんだかんだ言っても、スタートアップ企業や中小企業を将来のマイクロソフトやグーグルに育て上げる税制を構築している。政府はスタートアップ企業を育てると言っておきながら、スタートアップ企業に投資しようとする富裕層を全く税優遇しない。トランプ大統領ではないが、スタートアップ企業を支援するのは、お金持ちしかないのだから。

推薦図書。
林真理子著 「80代になると、たいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間」 幻冬舎新書 940円+税
長ったらしい題名だが、前、日大理事長の著である。真理子氏は昭和29年の生まれだから72歳になる。彼女が70歳代は頭も体もまだ大丈夫。金も困らないが、これまでと同じことをしていたらダメ、新しいことを大事にし、新しいステージに立つ。嫌われずに自慢話をするテクニック。お金にキレイと思われるおごり方。健康、おしゃれ。仕事、お金、趣味、確実に近づく死を見つめ、今の1分1秒を楽しんで生きるための本であると。

関連記事

  1. 富裕層の海外脱出摘発、国税庁のプラン
  2. アメリカの大学不正入試事件と脱税
  3. FBARに関するアメリカ最高裁判決と現実。
  4. 国際租税回避、またも国が敗訴
  5. 大統領の確定申告書
  6. 個人所得税調査、「海外」にシフト
  7. トランプ政権、関税の本当の目的
  8. コロナで緊急、与党の税制改正発表

アーカイブ

PAGE TOP