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外国人によるアメリカ不動産購入規制の動き強まる。

Forbesによれば、外国人、外国企業、外国政府による特定の不動産購入の禁止もしくは制限をしている州は24州に上り、更に12州が同様の法案を州議会に提出しているという。実際には外国人による土地の所有率は低く、農地でいえば2021年末現在、4000万エーカーで全米農地の3.1%である。2020年末では3760万エーカー、2.9%となっている。2009年から2015年までの外国人農地所有は毎年80万エーカーの増加だったが、2015年以降毎年220万エーカー増加し、その増加率は上昇している。アメリカの法律では、1978年のAgricultural Foreign Investment Disclosure Act (AFIDA)が発効し、農地の外国人所有のモニタリングをしている。因みに、中国人によるアメリカの農地所有は383,935エーカーで、全外国人農地所有の10%以下で、最大の外国人所有者はアメリカの友好国カナダ、オランダ、イタリア、英国、ドイツという順番になっている。
連邦法では外国人、企業、政府による農地購入の禁止や制限を行っておらず、今の所、州法のみである。但し、連邦税府は国家安全保障上の観点から、外国人、企業、政府による土地所有制限を行う動きが出てきた。Committee on Foreign Investment in the United States (CFIUS)は、今年初め北ダコタ、南ダコタ、カリフォルニア、アイオワ、テキサス州内にある軍事基地周辺の外国人による不動産購入を制限する法律を提案している。
アメリカでの外国人による不動産所有の懸念は大分前から生まれており、1980年には、Foreign Investment in Real Property Tax Act(FIRPTA)が発効され、外国人がアメリカ国内の不動産を売却する際には、売却価格に対し15%の源泉徴収が行われるようになった。更に、2018年にはForeign Investment Risk Review Modernization Act (FIRRMA)が発効し、CFIUSがアメリカの軍事施設、アメリカ政府施設、重要なテクノロジー関連施設に隣接する土地・不動産、インフラ、農地、木材、石油・ガス等エネルギー採掘権、アメリカ市民の個人情報を収集する施設等も含め、ありとあらゆる国家安全保障に関わる外国人の不動産直接的間接的購入に目を光らせるようになってきた。
州レベルでは既に24の州で外国人による農地の購入が禁止されていることは既に述べたが、テキサス州では中国、イラン、北朝鮮、ロシアによる不動産購入を禁止する法案も出てきており、更にフロリダ州でも中国、キューバ、ベネズエラ、シリア、イラン、ロシア、北朝鮮居住者による不動産 購入禁止の法律がすでに発効している。これにはフロリダ州在住の中国人団体が人種差別だとして、訴訟を起こしたが、敗訴した。世界情勢が緊迫する中、アメリカ不動産所有に関し、特に同盟国でない外国人排除の動きが強まってきている。当然であろう。

☆ 推薦図書。
アレックス・ブダグ著 児島修訳 「自分の能力が変わる カリフォルニア大学バークレー校超人気の授業」 サンマーク出版 2310円
リーダーが成功するために、何が不可欠かというテーマの本である。著者はリーダーの実務的能力ではない。チェンジメーカーになることだという。チェンジメーカーになる資質はとは、リーダーの変化を起こすために必要な考え方、行動力、勇気、情熱、そして、粘り強さである。例えば、謙虚さは大きな強みになる。CEOの謙虚さを測定し、それを研究した結果、CEOが謙虚な企業は、そうでない企業に比べて、CEOと従業員の賃金格差が小さく、経営陣の構成に多様性があり、部下にリーダーシップを発揮し、イノベーションを起こし、従業員の離職率が低く、満足度も高かったという結果があった。デユーク大学の研究によれば謙虚さが高い人ほど偽情報に騙されにくく、間違った道をあえて突き進む可能性が低いという。アメリカでも屈指の難関大学のバークレーの研究、大変参考になった。

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