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事業承継税制とジャニーズ事務所

令和6年度税制改正の議論が行われている。自民党・公明党の与党は、中小企業の承継がスムーズに行われるためには、時限立法のいわゆる事業承継税制が来年に切れるので、延長する改正を国会に提出する予定だ。相続税の計算の際、非上場会社の株価を算定する財産評価基本通達によると、とんでもない株価になることがある。したがって相続人は相続税を払えない。そうした事態を避けるために、株式にかかった相続税の支払いを猶予する措置が事業承継税制である。間違ってはいけないのは、あくまで「猶予」するのであって「免除」するのではない。猶予の要件が崩れれば、たちまち猶予されていた税額と、それに伴う利子税を払わなければならない。故ジャニー喜多川元社長の死去に伴いジュリー景子前社長がジャニーズ事務所の株式を相続した際、この事業承継税制を活用して約400億円に上る相続税を猶予をしたとされている。しかし最近ジュリー景子氏が、この相続税納税猶予を取りやめると発表した。数百億円を支払うのか、である。ところがあまり知られていないが、これには抜け道もある。猶予要件を満たさなくなっても「やむおえない事情」が存在する場合である。これは死去後5年経過後に①過去3年間のうち2年以上赤字②過去3年間のうち2年以上売上減③有利子負債が売上の6か月分以上④心身の故障、などに該当するとその時点での株価を再計算し、5割まで減額できるというシステムである。本来収める相続税を大幅に値切れることになる。はたしてジュリー景子氏がこの手段を使うのかはわからない。来年度税制が自民党税制調査会で開かれているが自民党の先生方はこの制度を熟知しているのだろうか

☆ 推薦図書。
憂国グループ2040 「日本の危機の本質」 文藝春秋12月号 1000円
凋落著しい日本経済、しかし既得権に切り込めば、再び、大国の座に戻ることは出来る、という特集。2000年には米国に次いでGDPは世界第二位、それが中国に追い抜かれたが、2023年にはドイツに抜かれて、いまや世界第4位、次にはインドに追い抜かれるのは確実で、どんどん地位を下げている。これらの原因は一つや二つではない。いまや頭のいい高校生は医学部を目指す。医学部人気が続けば日本は確実に衰退する。なぜならば明治維新以来、頭脳明晰なものは日本の基幹産業である鉄鋼、もの作り産業に投入してきたから大国になれた。医師ではできない。
また年金制度はすでに破綻している。若者は信じていない。物価が上がり始めて年金生活者の困窮はすでに始まっている。人口構造がピラミッド型でない日本の将来は見えている。日本の介護保険はどの国も真似しない。今こそ根本的に改革しなければならいと警鐘している

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