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デジタル課税を巡って、右往左往、欧米

これは永遠のテーマだろうが、物流は国境を越え移動する。しかし国の税制はそれぞれ別々であり、国境をこえての把握は困難である。一つの商品が製造され複数国を通過して最終的に費消されたとしても、今までは、その商品の流通過程ごとに税が生じていたし、その額を把握できた。しかしグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル(GAFA)などの売上げる商品は昔と違って、流通段階では物理的に見えない。支店、営業所なども販売先の国に置かなくてもよい。しかし税は利益を上げた国単位で課税、その国に販売拠点が無ければ課税できない。、例えば家電や車は明白に国単位で売上高がわかる。ところがGAFAの売上は目に見えるモノが動いているわけではないので、会社にとっても、営業マンや支店を置く必要がないので支、店単位の売上がない。モノクロ時代からデジタル社会に変わったのである。ところが税法は昔のモノクロ時代そのものである。日本に限らず欧米もそうだ。
今回の欧州司法裁判所の判決は、先進国にとってはショックだった。アメリカのアマゾン・ドット・コムが租税回避だとEUから訴えられた事件で、欧州司法裁判所は全面的にアマゾンの主張を認め、EUが敗訴したのである。実は昨年7月にも別の裁判でEUがアマゾンに敗れている。いずれもデジタル課税を巡ってである。今回は2.5億ユーロ(330億円)課税だが、昨年アップル社が1.6兆円の巨額追徴課税を巡っての裁判でもEUが負けた。これではデジタル化社会に、今の税法では通用しないという事だろうか。アマゾンの裁判では、アマゾンがルクセンブルクに子会社を設立し、そこに巨額の利益を付け替えたというもの、問題はルクセンブルクに支店をなぜ置いたか、EUは、ルクセンブルグがアマゾンにルクセンブルクに来てくれるのなら、特別に「税優遇」をします、という条件でアマゾンを引っ張ってきたと主張し、これが裁判の焦点になった。実際何故かグーグル、アップル、フェイスブックもルクセンブルクに現地法人を置いていて、ルクセンブルグの財政は大いに潤っているという。欧州委員会は2014年から徹底的に調査を開始し、その結果「特定企業への国家的な補助」に当たるとして企業に追徴課税を命じた。その結果がこれである。今回の敗訴で、EUのべステア―委員長は「裁判所が誤りを犯している、EU加盟国に企業が相応の税を支払うようにすることが最優先課題だ」と述べた。
各国が「デジタル課税」または「グーグル課税」といわれる新税制を構築しないといけないと焦っている。しかしGAFAは「売上から経費を差し引いた利益に、その国の税率をかけて、正当な税金を払っている」と主張して譲らない。これに対して、デジタル課税を巡っては、必ずしも各国の足並みが揃っているとは言い難い。しばらくはGAFAの言いなりか。

推薦図書。
東京大学未来ビジョン研究センター編 「未来探求2050」東大30人の知性が読み解く世界 日経BP 2000円+税
2030年、2050年の世界はどうなっているのか、東京大学の30人の研究者が、自身の研究分野で予測する未来社会を書いている。例えば、精神科では、自分の脳を、自分で画面を見ながら、この部分がうつ病の原因になっているから、この部分を切除し。この部分を活性化しようと、自分で精神疾患を治療できるようになる。また、問題になっている中国も2050年には超高齢化社会になり、社会保障や年金問題で大変な時代になっている。と
ロボットは今後10年間には驚くべき変容がないが、2050年には、「人間に代わる労働力」という概念はなくなっていて、人間が世話をしなくても、まるで生き物のように勝手に餌を取ってきて生き延び、自分自身を複製して増えていくロボットになっている。そうなると、もはや人工物でも自然物でもない存在が、生き物を超えて出現する。などなど・・・が書かれている。
2050年では、私は確かめようがないが、なんだか「鉄腕アトム」を幼少期に読んだ記憶が甦った。

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