最近私のブログは日米の新型コロナ関係ばかり、今回は日本。補正予算の関係で「納税を猶予する特例制度」を公表した。政府のPRでは「新型コロナウイルスの影響で納税が困難な方へ、無担保・延滞税なし」を謳い、検事総長定年延長問題を尻目に「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律」は野党を含め満場一致で可決された。
この法律の骨子は次の5つ。
① 新型コロナウイルスの影響で2月以降、任意の期間(1か月以上)において売り上げが20%以上減少している
② 納税を行うことが困難である
③ ①②の要件を満たすものであれば、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来するすべての国税、所得税、法人税、相続・贈与税、登録免許税、消費税、酒税等々・・・・確定、予定、中間納付を問わず、納めなくてもよい
④ 猶予期間は1年間、担保不要、延滞税全額免除
⑤ 猶予期間内の途中納付は可
これでは、たとえ新型コロナウイルスと無関係なものでも、利用しない手はないとばかり、期限が到来する税金納付はほったらかし、しかし督促は一切ない、調査もない。きちんと納税するものはバカであるかのようになる。
税金を払わなくてもよい手続きは、①納期限(新型コロナウイルスの影響で延長されている場合は、その期限)までに申請書類を提出する、②申請書には収入が減少した状況がわかるもの(1か月だけでも20%下がったものがあればよい、しかも口頭でも可)を添付する。この適用者には事業者はもちろんのこと、サラリーマン、フリーランス、パート、アルバイト、など納税者であれば誰でもよい。
気を付けなければならないのは、あくまで令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来するもので、それ以前に滞納になっているものは救われない。
☆ 推薦図書 ☆
ジョン・メディナ著 野中香方子訳 『「ブレイン・ルール」 健康な脳が最強の資産である』 東洋経済新報社 1800円+税
この本は、「脳は、愛情を持って手入れすれば、いくつになっても柔軟さを保つことができる」とする。老化の科学は、加齢による脳の衰えを減らす方法を考える。社会的な活動は、老いて行く脳にとってビタミン剤で、その効果は抜群。社交的な人は、そうでない人に比べて、認知機能の低下率は70%も低い。この本の中ほどにあるが、面白いのは、引退すると健康状態が悪化し、知力が衰え、精神病のリスクが高まるので、決して引退してはならないとしている。引退したら気ままな暮らしができて、これまで出来なかったことをするという、引退後の夢のような生活は幻想にすぎないとしている
① 健康状態が悪化する。引退後は医学的に、心臓発作や脳卒中などの心血管疾患になる可能性が40%高くなる。血圧、コレステロールなどが不健康なレベルにまで上昇し、がんや糖尿病にも罹りやすくなる
② 知力が衰える。引退者は同年で働いている人に比べ、「流動性知能」(新しい情報を柔軟に把握し、変換し、操作する能力)が急速に衰える。しかも衰え方が半端ではない。50%しかなくなる。
③ 精神病のリスクが高まる。引退でうつ病と認知症になるリスクが40%直ぐ高まる。
欧米では年齢による差別だとして定年制はないが、この本では引退する年齢について、科学的な研究からの答えは「そんな年齢はない」ということだ。