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バイデン、トランプ、麻生、二階だけではない世界の政治家の高齢化

先日,Wall Street Journalに、なぜ世界の首脳は高齢なのかという記事が掲載されていた。2024年と10年前(カッコ内は10年前のトップの年齢)の多人口国のリーダーたちの年齢の比較だが、アメリカ81歳(52歳)、中国70歳(60歳)、インド73歳(81歳)、インドネシア72歳(64歳)、パキスタン72歳(64歳)、ナイジェリア72歳(56歳)、ブラジル78歳(66歳)、バングラデシュ76歳(66歳)、ロシア71歳(61歳)となり、高齢化現象が明らかである。全世界での首脳の年齢の中央値は62歳だ。(最高年齢はカメルーンの大統領で91歳)
前回のアメリカ大統領選挙では,選挙史上最も高齢だと言われたが、今回もバイデンとトランプという同じ顔触れでそれぞれ81歳と77歳、更に高齢化が進んだ状況となっている。アメリカ国民の多くは、両人の顔を見たくない、どうして若い政治家が現れないのかと既にがっかりしているのが現実である。しかし過去100年でみれば,アメリカ大統領の年齢は上昇傾向にあるのも事実だ。この傾向は大統領に限らず議会も同じで、2021年度でアメリカ上院の平均年齢は61.2歳、下院では58.3歳ということだそうだ。全世界的にみると、強い政党のあるヨーロッパは、比較的若い政治家が多いようである。これは若者を率先して採用し、相応の地位につかせるシステムが整っているからである。
本来、民主主義の正当性から言えば、政治家は投票権を持っている人たちから選ばれるのだが、現実の結果はそうではなく、偏っている。アメリカでは投票権を持つ者の39%は40歳未満だが、実際40歳未満の議員はわずか8.3%で1981年での22%から大幅に下がっている。この高齢化現象には理由があると考えられる。ひとつは、医療技術の発展により政治家が高齢ながらも仕事を続投出来るようになったということ、もうひとつは世界で独裁政治が進んでいるということである。世界人口の35%はそのような独裁国家に居住している。特に中国とロシアでは独裁権が強力になっているのが明らかだ。
独裁国家でない国々では若い候補者が選挙を勝ち抜くには膨大な資金が必要になるという。2020年のアメリカ大統領選挙では選挙費用が140億ドル(1.7兆円)に上った。政治に専念し、それなりのコネクションや資金提供者を有するCareer Politicianであれば、当選もしやすくなるが、別の分野から政治家になろうとすると難しくなる。このようなことから自然と当選するのは高齢者になるというわけだ。アメリカの現職の議員が再選される確率は下院の場合85%を下回ったことがない、日本よりも再選率は高い。これは世界でも同様の傾向があり若者の新規参入が困難となり、若者の問題、例えば、教育、失業、育児施設等の問題が政策に反映されなくなると、若者の政治に対する失望が広がり、若者の投票率が低下するそうだ。本当に将来に大きな懸念を頂き、国民の本当のニーズをくみ取ることが出来るのは、若い政治家であるはずである。既にバイデンとトランプの大統領選には、投票をしないという若者も多いという統計もあり、今後若い政治家たちが選出されるようなシステムを作ることが大きな全世界的な課題と言えるが、言論の自由がないロシア、中国、北朝鮮よりはハッピーなのかもしれない。

☆ 推薦図書。
秋葉大輔著 「ヤメ銀」 文春新書 1050円+税
著者は日本経済新聞編集局の出身で銀行担当だった。この本は昭和から令和に至る激動の「銀行員史」を綴っている。長らくエリート会社員の象徴でありながら、金利自由化~バブル崩壊~金融再編~フィンテック登場と、時代の大波に洗われてきた日本のバンカーたち、目まぐるしく変化する環境に適応し、自ら変異した“ヤメ銀”たちが語る、銀行でこそ学び得た教訓をこの本は鋭く深く書いている。登場人物はさすが日経の記者だけあって有名人が登場するが、彼らはすべて「必要なことはすべて銀行で学んだ」と、実名登場なので面白い、三和銀行からターリズコーヒー社長の松田公太、あさひ銀行頭取からオリックス社長の梁瀬、三井住友フィナンシャルグループの太田純などなど、「バンカーの知恵」を武器に戦った異端者たちの物語である。

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