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日本の相続税の重圧、海外からの批判。

日本では4800万円を超える遺産があると、相続税がかかる。しかも最高税率は55%である。従来は、例え外国人であっても日本で住んでいれば、日本の相続税がかかった。そのため、母国にいる家族にもかかり、母国にある財産にも日本の相続税が襲いかかった。死亡した者が日本に住所があると、その者の国籍に関係なく日本の相続税がかかり、家族が亡くなった時も、例えその者が日本では一時就労であろうと、母国にある財産までかかるので、高度外国人材が日本に来なくなった。当然であろう。そのため平成29年度改正では、一時的に日本に滞在している外国人には、日本にある財産のみが相続税の対象とされた。

その一方で、日本に10年以上滞在した外国人が、日本を出国後5年以内に死亡した場合は、新たに国外財産にも日本の相続税が課税されると、平成29年度に改正された。例えばアメリカ人が日本で10年以上就労して、アメリカに帰り5年以内に亡くなると、アメリカの財産に日本の相続税がかかる。それに対して外国から非難が続出した。当たり前である。そのため、昨年、外国人が帰国後の年数に関わりなく、日本国外で死亡した場合は、日本国内にある財産のみに相続税がかかることとなった。

いずれにしても外国人、しかも日本にいない外国人に対してまで相続税をかけた国は日本以外にないであろう。これほどまで富める者を追い詰め、死んでまでも課税する国を私は知らない。課税済みの財産に、もう一度課税する相続税、トランプ大統領も、もう「相続税」はやめにしようと言っているではないか。

☆ 推薦図書 ☆
広井良典著 『人口減少社会のデザイン』 東洋経済新報社 1800円+税
著者の研究グループは、AIを活用した日本社会の持続可能性と政策提言に関する研究成果を発表した。それによると、現在の日本は持続可能性という点においては危機的ということである。
① 財政あるいは世代間継承性における持続可能性
② 格差拡大と人口における持続可能性
③ コミュニティないしつながりに関する持続可能性
日本は既に人口減少社会となっているが、それでも、他の先進国に比べれば人口密度は過密である。イギリス、フランス、イタリアの人口は6000万人、日本の半分である。面積はほとんど同じだ。したがって、今の人口を維持すべき水準と考える理由はどこにもない。
これからは、世界の人口の増加は止まり、高齢化が進む。つまり定常型社会の世紀となる。
日本は外国と異なり、「ウチとソト」を明確に区別する。農村型コミュニティだ。そのため、社会的孤立が生じやすい。今後は、人と人との関係性をどのようにしてソトに向かって開かれたものとしていくか、が重要な課題となる。
人口減少社会では、富の分配や、社会保障などの負担の問題が起こる。日本人は今まで、こうした「場」の合意が難しい議論を避け、その場にいない者に押し付けてきたのである。
つまり、将来世代への先送りが常態化しているとしている。

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