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性異常者エプスタイン・ファイルから見えるアメリカ超富裕層の現実

最近イラン戦争や反移民政策を巡り、マスコミではローマ教皇とトランプ氏の対決姿勢が鮮明になった、トランプ大統領がSNSで自分があたかもイエスキリストのようになり、病人を癒している画像を出した。いよいよトランプも王様からイエス様になったのか、さすがにこれは行き過ぎで、聖なる者を侵害したとして共和及び民主両党から非難を浴び、その画像は直ぐに削除された。
トランプ氏は、司法省によりエプスタインファイルの開示される中、彼と仲良くする写真が多く出てきた。これらのファイルには、クリントン元大統領、ビルゲイツ、アンドリュー元王子、日本人では千葉工業大学学長の伊藤穣一氏がJoi Itoの名前でエプスタイン氏と仲良くしている写真が多くあった。ために彼はすぐ辞職した。トランプ氏は性犯罪には関係ないと主張しているものの、アメリカ世論は、イエスキリストとは程遠い存在だろうと冷めた見方をしている。
ウオール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やフォーブス( Forbes)によると、そのエプスタインファイルの中で注目されたのが、大手プライベートエクイティファンドApollo Global Management 元CEO のLeon Black氏である。エプスタインの資料の開示は2014年から2015年のものであるが、当時で彼の純資産は50億ドル(5000億円)以上と見積もられている。Black氏は、2021年にCEO職を辞任しているが、これはエプスタインに対し、相続税対策、税務アドバイスをはじめ、アート関連会社の構築、慈善活動へのアドバイスに関するアドバイザリー料として、2012年から2017年の間になんと1億5800万ドル(160億円)も支払っていることが発覚し、批判を受けたことに起因している。2015年にはBlack氏と当時長い間愛人関係にあったロシア人女性が性的虐待を受けたとして1億ドル(100億円)を要求してきた際、エプスタインが仲介し、結果15年間月10万ドル(1000万円)の月賦NDA支払いで和解している。
これらエプスタイン問題の開示資料から、アメリカ超富裕層のお金の使い方や投資の仕方がわかってきた。Black氏の家族のカネの使い方だが、2015年の2か月分の開示だけでも、例えば、夕食費は27000ドル(300万円)、衣服代35000ドル(360万円)、ワイン当アルコール代67000ドル(670万円)、家の庭師には2か月間だけで48000ドル(480万円)を払っている。彼の投資だが、当時の価値で20億ドル(2000億円)ほどはApollo株、12億ドルはApollo関連投資、非Apollo投資は数百万ドルだ。小さい金額だが、NYのKappo Masaには25万ドルの投資をしている。
彼の投資には多くのアートコレクションや希少な書籍が含まれている。家は7件所有し、プライベートジェットから大型のヨットも所有している。アートは、ムンクの叫びを2012年にオークションにて約1億2000ドル(120億円)で購入、その他エドガール・ドガ、セザンヌ、ピカソといった有名画家の作品を多く所有、さらに希少な書籍として、タルムードのコレクションを2015年900万ドルで購入、現在では8200万ドル(122億円)の価値があるとされている。また中国のブロンズを3億3500万ドルで購入している。
2015年には、これらのアートコレクションを担保にBank Of Americaから4億8400万ドルの融資を受けている。 当時のアートコレクションの価値は30億ドル、含み益は10億ドルほどあったと言われている。また、融資の利率はケタ違いに低くわずか1.43%である。Black氏も上場株の投資はしているが、僅か1300万ドル程度である。超富裕層の多くは、相続税対策、所得税対策のため、rivate Equityや自社株等流動性に欠ける投資が多い為(日本と異なり非上場株式にはほとんど税がかからない)、このような借り入れを行うことになるのだが、キャピタルゲイン税も発生せず、低金利で借りられるのであれば、以前もこのブログで書いたが超富裕層の方程式、Buy, Borrow, Dieを地で行くことになっている。Black氏は現在74歳になるが、純資産は約136億ドル(2兆円)と予測され、約半分66億ドルはアートコレクション、現金、株式、残りの70億ドルはApollo 株とみられる。最近では2023年に自閉症の16歳の女の子をレイプしたということで訴訟を起こされ、その後訴訟合戦になって今でも裁判は継続している。Black氏は確かに超富裕層ではあるが、エプスタインから女性まで問題山積みで、いくつもの裁判を抱えているトランプ大統領やビルゲイツ、イーロンマスク氏などの超富裕層生活もけっして楽ではない。このように考えると結局、儲かるのは彼らの弁護士ということになり、アメリカ社会の現実をあぶりだしている。

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鈴木雅光著 「銀行の本店はなぜ仰々しいのか?」 幻冬舎新書 1000円+税
銀行や証券、生命保険、ゆうちょ。これらは日本人の生活に密着している。しかし、その仕組みや実態について疑問を抱いたことはないだろう。銀行の本店はなぜ、あれほど仰々しいのか、メガバンクは他行を吸収合併し、そして通信会社とも業務提携を加速している。果して本当に成功しているのか。コンプライアンスに最も厳しいはずの金融金業界で、なぜ不祥事が絶えないのか、金融業界の「裏側」を深く知ることによって世の中が見える。証券口座乗っ取りの真相、なぜゴールドマンサックスの年収は莫大なのか、「あれオレ詐欺」がなぜ外資系金融機関に多いのか、などなど金融業界の暗部を面白く書いている。

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