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アメリカの個人脱税者の締めつけ、果たしてどれだけの効果があるか

前にも書いたが、アメリカの銀行や証券会社に口座を持つ者は、だんだんと手続きが複雑化してきた。今回はやや専門的なブログになる。それはアメリカの銀行等は米国内に口座を持つ者を、アメリカ居住者か非居住者かをきちんと選別しなければならない。IRSは、銀行等が提出する義務がある様式をW-8BEN-Eとしている。外国金融(FFI)の支払先もしくは口座保有者としての外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)のステータスを通知する場合にこの様式が定められている。この様式はW-8BEN、W-8IMY、W-8ELC、W-8EXPなどで、アメリカの源泉税とFATCAの義務化となる。アメリカ国外の金融機関であっても、アメリカの身勝手な要求によって30%の源泉税を顧客から取り、アメリカに納付しなければならない銀行等も出てきた。これはアメリカ国外の銀行等であっても、5万ドル以上の預金をしているアメリカ人の口座を、全てアメリカに報告しなければならない。それを怠ると、その金融機関に預けている口座保有者の全員から30%の源泉税を取ってアメリカに納付しなければならない。まさにアメリカの暴挙である。

 

またアメリカの非居住者はアメリカ国内の銀行に預金していても、利子にアメリカの源泉税はかからない。これらの区別をしなければならない。

 

アメリカ人の口座を持つ外国金融機関は2014年7月1日以降、FATCAに基づき特定の支払いにつきアメリカ源泉税の徴収を開始するが、その際、金融機関が口座保有のステータスを通知する目的で株式W-8BEN-Eを使用し、一方、口座保有者の個人が通知を行う場合にはW-8BEN-Eではなく、W-8BENを使用しなければならない。FFIがFATCA上のステータスをしないと、非協力として30%の源泉税を取られる(様式の記入方法はIRSのホームページで見られる)。今回の改正で旧様式W-8が改訂され、様式W-8IMY、W-8EXP、W-8ECL、W-8BEN-Eと細分化され、金融機関は追いついて行けない。さすがにIRSも察したのか、このほど期限を延長し、FFIの場合は2014年12月31日、それ以外は2016年6月30日までとした。

 

アメリカ政府は、このように個人の海外金融資産のあぶり出しに必死の様子。とばっちりで海外の金融機関もアメリカ人口座を保有することの手間と鬱陶しさで、アメリカ人を断る傾向になっている。これはアメリカ政府の思うつぼであるが、そうすると、これらのアメリカ人預金はアメリカ国内に回帰するかと言えば、回帰しない。現にそうである。新たな先を求めて隠匿するのと、アメリカ人を捨てることの2者択一になってきているとウオールストリートジャーナル誌なんかがいうが果たしてそうであろうか?イラクやシリアを攻撃しているのではない。アメリカの富裕層が相手である。2015年が見ものである。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
江部康二著 『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』 東洋経済新報社 1300円+税
生活習慣病を予防し改善する糖質制限食31のポイントを示している。日本人の「五大疾病」とは、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病に新しく加わった精神疾患をいい、さらに「四大死因」とは、がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患をいう。糖質制限食とは、炭水化物をとらない食事であり、具体的には、ご飯やパン、麺類を食べず、たんぱく質や脂質を多く含むおかずを多くとる食事のこと。そうすると、血糖値を正常にコントロールし、高インスリン状態を解消し、動脈硬化を予防、肥満もなくなる。筆者(京都大医局長)によると、がんを含め「五大疾病」「四大死因」は炭水化物をとらないことによって飛躍的に改善する。炭水化物のとりすぎは、血流を悪くする、血液がネバネバし、血管を傷つけ、動脈硬化につながり、インスリンの大量分泌を招く。人類が誕生し700万年、炭水化物を多くとるようになったのは穀物栽培が始まってからの1万年間にすぎない。人間の体がそれに備えるよう進化するには短すぎるとしている。

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