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日米同時査察で誰が捕まるのか

この度、日本とアメリカの国税当局は、日米租税条約第26条に基づいて行われる情報の交換に関して、「アメリカと日本の権限のある当局間の同時査察調査実施取決め」に合意したと公表された。

同時査察とは、日本とアメリカにまたがった脱税の疑いのある者に対して、両国の査察部が同時並行に調査を行うものである。自国の査察調査のために必要な情報の提供を相手国に要請することや、自国の査察調査において相手国にとって有効と認める情報を把握した場合に、その情報を相手国に提供することが可能となり、両国間で直接協議を行うことができるようになった。

この制度で、初の日米同時査察のターゲット第1号と噂されているのは、銀座など東京の一等地に数多くの賃貸ビルを所有するMグループ会社。Mグループは九州出身のK氏が立ち上げ、今や日本でのトップクラスの資産家である。アメリカ本土にも不動産を数多く所有しているが、アメリカでほとんど納税していないのが、アメリカの怒りを買ったようで、今後が注目される。

 

☆ 推薦図書 ☆
石川洋著 『「無いから出来る」大石順教尼の生涯』 致知出版社 1,680円
順教尼のことは有名だが、筆者は順教尼にも親しく、私はこの話を筆者から直接聞いたこともあり、両腕無しに運命と向き合ってきた彼女の生き方に感銘を受けた。
大阪で養女に出された彼女の養父は狂い、「堀江6人斬り」と明治38年一世を驚かせた。6人の芸妓が寝ていた室に日本刀を持って凶刃を振い、5人が絶命、彼女だけが両腕切断だけで助かった。何故、1人助かったかというと「験がなかった」からと述懐し、裁判での「今、どんな感情を持っているのか」に対して、「私、おとうさんを憎めまへん」「私は、重い傷だすよって、いつ死ぬかもしれへん。けど私、おとうさんを怨み憎んで死ぬことは嫌だす。4年間のおとうさんの恩は、私返してありまへん。今、恩返しをして私、死にとうおます」と言った。「罪も憎まず、人も怨まず」。順教尼が建立された仏光院の本堂には、5人の犠牲者と加害者の養父の位牌が祀られている。加害者を祀る本堂というのは、どこにもないのではないか。

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