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ロサンジェルス市の固定資産税収入が枯渇、マンション税で

ロサンジェルス周辺の不動産価格は何十年も上昇している。ここ5.6年で50%以上上昇しているところも沢山ある。しかし何故か地方税である固定資産税の収入は少ししか上がっていない。日本の固定資産税の仕組みとはかなり違うからだ。
日本の固定資産税は都市計画税と合わせて年間1.7%である。これはその年の固定資産税評価額に1.7%を乗じて、不動産所有者から徴収するのだが、この固定資産税評価額というのは時価の上昇とともに上がってくる。固定資産税評価額は時価だというが、路線価と同じで「お上」が勝手に決めて、所有者に納税通知書を勝手に送付してくるのである。従って10年前と比べて宅地が随分と上がった。
一方アメリカではどうなのかについて、我がオフィスがあるカリフォルニア州はどうかというと、固定資産税(Property Tax)は固定資産税評価額の1.1%から1.3%になっているが、アメリカの場合、この固定資産税評価額というのは基本的に誰も決められない。日本は全国私有地で固定資産税評価額のない土地は無い。宅地、農地はいうに及ばず山林、原野まで、何でもある。本当にこれが価格なんて誰も見たことがない、人が踏み入れた事のない土地まであるのだ。一方アメリカは固定資産税を徴収するための固定資産税評価額は、その土地の取得価額(購入価格)を原則とする。まれに再評価することがあるが、評価額はそれが基本だ。従って昔から所有している土地は、固定資産税は低い。それを売って、次に購入した者は、値上がっているので固定資産税は高くなる。隣の家と宅地面積が同じなら、日本の場合は固定資産税は同額だが、アメリカの場合、隣の人が30年間も住んでいるとしたら、隣地を買ったものは数倍の固定資産税を払うことになる。ロサンジェルスの役所にすれば、新しい所有者がどんどん出てくると固定資産税収入が上がる。ところがロサンジェルス市(City of Los Angeles)の不動産にのみ適用されるMeasure ULA(Mansion Taxと言われる)と言う税金がある。マンション税の意味は、日本のマンションではなくアメリカでは超豪邸という意味である。この豪邸を売却した場合、売却価格が540万ドル(8億6000万円)以上1090万ドル(16億円)である場合は4.0%、1090万ドル以上だと5.5%のULA追加課徴税がかかる。この4.0%、5.5%は超えた部分にだけでなく売却価格全体に係るので売主の負担が大きい。この影響を最も受けるのは豪邸もさることながら、アパートメントなどの集合住宅である。ロサンジェルス市で集合住宅を一つ売れば簡単に540万ドルを超える。このためロサンジェルス市内では集合住宅の建設はほとんど行われていない。このため数十万戸の住宅不足が生じているという。ULA税が出来てから、この3年間で、集合住宅区画の販売は何と65%も減少したという。このようなわけでロサンジェルス市では不動産販売が激減し、その結果、新規不動産所有者も激減したので、固定資産税収入も増えなくなった。ハーバード大学の研究試算では、このULA税のせいで本来増収になるはずの固定資産税収入の80%が失われているという。
日本のように市が市民の不動産価格、つまり固定資産税評価額を勝手に決め、納付書を毎年5月送り付ける制度の国と、あくまで実売買価格を原則とした課税決定を行うアメリカ。市民本位で課税決定する問題も浮かび上がった。日本のように「お上」が勝手に庶民の払う税金を決めた方が、昔の年貢米のようにスムーズに納税が行われるということか。

★ 推薦図書。
小笠原文雄著 「笑って大往生できる人出来ない人」 アスコム 1650円
著者は医師として、僧侶として今まで、3000人以上の「人生最後の日々」に寄り添ってきた。「悪くない人生だった」と言える人の共通点を書いている。食事、運動、生活習慣、人間関係、在宅医療について、どうあるべきか。例えば好きなものを食べてストレスがない方が長生きできる、つまり栄養バランスより「幸福感」が大事である。そして認知症は恐れなくてもよく、天涯孤独のお一人様でも幸せに旅立てる。この本は、人生の終盤を、いかに幸せに暮らし、微笑んで最期を迎えられるようになるための、ハウツーものである。

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