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トランプの確定申告書と司法長官任命問題

現在トランプ大統領は正式に司法長官として、彼の私的弁護士であるTodd Blanche氏を任命する手続きを行っている、しかし二人の上院議員は反武器化基金を撤回しない限り、上院での承認はないと強気に対抗している。この反武器化基金については、以前にもこのブログで書いたが、そもそもはトランプ大統領が、IRS及び財務省に対し、自分の過去の確定申告書が、IRSから漏洩したとしての被害として、100億ドルの訴訟をおこしたケースに対し、当時司法長官代理をしていたTodd Blanche氏が司法省を通じて反武器化基金を設立することで和解をしたと発表した。この和解で問題なのは、訴訟を取り下げる代わりに、政治目的で攻撃や武器化された、司法により制裁を受けた人たちを補償する為に18億ドルもの反武器化基金を立ち上げるというものであった。
Forbes誌によれば、この基金で救済の対象とされる人達は、例の1月6日議事堂襲撃事件で有罪となったトランプ支持者(現在、殆どがトランプ大統領により減刑もしくは恩赦されている)とされ、国民の税金でトランプ指示の犯罪者が救済されることになるのはおかしいと、共和の一部や、民主党議員とともに懸念及び不快感を示し、憤慨していた。ところが、この和解の中には、反武器化基金の設立の他に、驚くべきことに、トランプ大統領本人、及び彼の息子二人、さらにトランプ大統領のビジネスの過去の税務申告に対する税務調査を免責するという項目が含まれていたのである。
Blanche氏は、任命作業が難航していることから、この反武器化基金を正式に廃案すると発表し、この結果、二人の上院議員もこれでBlanche司法長官任命に賛成する意向を示した。ところが、この修正和解案の中には、税務調査免責の廃案は含まれていないのである。つまり、このままでいくと2026年5月19日以前の申告に対するものと限定されているが、トランプ大統領及び彼の二人の息子Eric, Don Jr.更にはトランプ大統領の事業を含め、すべての確定申告書に対する税務調査を免れることになる。多くの報道ではトランプ大統領及び彼の事業は7000万ドル(110億円)ほどの税金を滞納しているとされ、これは単年度であるとすれば更に多くの税金を滞納している可能性もあるという。一方で、トランプ大統領は、息子たちと暗号資産ビジネスにも注力しており、20億ドル(3200億円)ほどの収入もあるとされている。ここで、5月19日と制限されたものの、それ以前の申告書全てに対し税務調査を免責されるというのは前代未聞だと、ほとんどの税務専門弁護士は口を揃えて言っている。
更に今回この和解で不可解なのは、裁判になれば、IRSが勝つだろうとされていたからである。今回のトランプの申告書を漏洩したのは、IRSの税務署員ではなく、IRSが委託した外部委託者であった。過去の裁判では、IRSの外部委託者が罪を犯したケースはあったが、全てのケースで外部委託者の不祥事について、IRSに責任はないと判決されている。また、今回の修正和解案には訴訟の当事者であるトランプ大統領、彼の息子二人、トランプのビジネス弁護士、IRS、司法省が署名する必要があるが、今の所そのような署名をした文書は全く公表されていないのである。
報道によると、恐らく司法長官は上院で承認される予定である。但し、二人の上院議員が承認した和解案が本当に締結されるのか、不透明である。もし、締結されるとすると、トランプ及び息子達、並びに彼の事業は、かつて、アメリカ市民の誰も持ったことのない、過去の確定申告書に対する税務調査の免責という特権を与えられ、結局は、トランプ大統領と一族が、私服を肥やすという構図は変わらず、更にトランプ大統領の私的な顧問弁護士であったBlanche氏が司法長官となれば、司法省をトランプが支配する構図も出来上がり、トランプの思い通リとなり、アメリカ市民、納税者が無視、無下にされる構図であり、正に彼の書籍名通リThe Art of the Dealの絵が完成すると言った所である。日本では考えられないどころか、このような超富裕層一族の政治家は日本にはいないから問題にならないかもしれない。

★ 推薦図書。
山田秀臣著 「外国人患者」 新潮新書  990円
国民皆保険の日本の医療制度、少子高齢化で医療費は毎年増加の一途では、このままでは崩壊する。名古屋大学や東京大学で国際診療に長年携わる医師の著である。日本の医療費は保険制度によって金額に定めがあるため値上げが出来ないが、日本を訪れる外国人患者は自由診療で、保険診療で補われない部分が期待できる。つまり「医療ツーリズム」で医療収入を増大させるのである。日本の医療の強みは、患者一人一人に医療スタッフが丁寧に向き合う、慢性疾患や患者数の少ないマイナーな病気の治療に強い、医療品の安全性、信頼性が強いなどの外国から見た利点が多くあるので、外国人需要が多いこの分野を伸ばすべきだとする本である。

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