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ワシントン州、富裕層に新たな課税

日本は確定申告のシーズンがやっと終わった。日本人は誰しも住所地を管轄する税務署に確定申告書を提出して終了する(今やe-Taxだが)。都道府県や市には申告書を提出しない、なぜなら都道府県が課す住民税は、税務署が勝手に納税者の課税情報をオートマチックに市に送付し、市はそれを受けて、住民・個人に地方税である住民税が〇〇円とい納付書を送り付けるだけである。海を隔てたアメリカは、州によって州の法律や税法が異なるから、アメリカ人はIRS(国)と州に別々に申告書を提出しなければならない。州によっては税率が高い州もあれば安い州もある。全く州税が無いところもある。代表的なのはフロリダ州やネバダ州、ワシントン州であり、カリフォルニア州の税率13.3%から比べれば夢のようだ。しかしこれはアメリカの現実である。このほど州税がないワシントン州の知事ボブ・ホーガン(Bob Ferguuson)知事が、年所得100万ドル(1億5000万円)を超える者には、新たな富裕層向けの所得税を制定するとして、最新のBlue State(民主党の州)になったとウオール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。これはトランプ大統領に対しての敵意むき出しでもある。2028年から100万ドルを超える人たちに9.9%の税率が適用され、越えなければ新たな課税はないとしている。これで得た税収は、保育、無料の学校給食、働く家族の税額控除、零細企業の税額控除に充てられるとしている。他のblue statesの知事や議員もこれに賛同していて。トランプ大統領が昨年署名した連邦税法における国民の健康・栄養支援プログラムの削減に伴う予算措置に必要だとしている。
マサチューセッツ州では2022年に100万ドルを超える富裕者には4%の課税上乗せ措置を講じるとした税法を承認可決した。その結果2025年には前年の24憶6000万ドルから30億ドル増加した。
ファーガソン知事は「ワシントン州の所得分布下位20%の住民は消費税(アメリカでは州税)や固定資産税などの州税で所得の13.8%を納めているが、富裕層はそれよりはるかに少ないパーセンテージであり、トランプ大統領の富裕層へのさらなる減税によって、さらに悪化した。」この法律の署名前にワシントン州の共和党のDrew Stokesbary院内総務は「この税はワシントン州の成功を支えた起業家精神を抑制する可能性がある。ファーガソン知事の財政難は過剰な支出が原因であり、ビリオネア税はやがて多くの住民を巻き込むことになる」としている
しかしblue statesの知事や都市部の市長は富裕層に対する課税強化に熱心である。NY市長のゾーラン・マムダニもその一人だ。同様の富裕層課税はロードアイランド州とコロラド州の選挙にむけての公約では優先事項になっていて、中でもコロラド州は50万ドル(7500万円)以上の所得者には増税、以下の者には減税と謳っている。以前のブログで書いているが11月にはカリフォルニア州では純資産10億ドル(1500億円)に対して一回きりだが5%課税するという法案の是非の投票も予定されている。
Red statesではミシシッピ州やオクラホマ州では個人所得税を廃止する方向、サウスカロライナ州では個人の最高税率を1.99%に、ミズーリ州では段階的に個人の所得税を廃止の方向である
アメリカはこのように州税はまちまちであるが、日本は地方税法は国が決めるので、全く変わらない。したがって知事や市町の権限も極めて制限され、自主性がない、せいぜい「ふるさと納税」程度しかない。今、日本は税収が東京に偏りすぎている。一極集中の問題が生じるのは当たり前で、東京も青森も離島も税率は皆同じ、法人税、所得税、消費税も変わらない。そのなかで、ビジネス、大学、金儲けなどの機会を得る地域が限定されている。当然首都圏に向かう。アメリカのように地方税を地方自治体に委ねた方がよい。そうすれば、首都圏に住めば税金が高い、相続税が高いとすると、国民の流れが変わるのではないか、今の日本では、自分たちの生活のためになる首相は誰が良いかを考えるが、自分たちの知事には誰がなれば、生活や税金がどうなるかの考えもない日本人である。国も地方活性化を謳っている今日であるが残念な国である。アメリカでは税金で人が移動するというのに。

★・ 推薦図書。楠木新著 「定年後、その後」 プレジデント社 1300円+税
言ってはいけない老後の真実と題して、「定年後」は10年で終わる。老後には60代の「定年後」と70歳からの「定年後、その後」がある。何歳になっても定年後という、広いくくりでは無理がある。70代になれば現役時代は遠い過去になり、本格的な老後になる。この本はこの年代で元気に過ごしている人、個性を発揮している人、などはどのような人物なのであろうかをまとめている。活躍している年取った人の共通点は「いい顔をしている」につきる。著者も隠居生活に入って「いい顔」なることが目標である。主観的なものだが家族も友人も人付き合いも大切だが、一番は自分自身と良い関係を築くことだと。

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