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アメリカ連邦政府機関閉鎖の影響をモロに受けるIRS

アメリカ連邦政府は、新年度予算が議会で可決されなかったことにより、10月1日以降政府機関閉鎖に突入している、日本のマスコミもそれについては報道している。その結果多くの政府機関の業務は停止しており、一部の職員は強制的に休職扱いとなり、TSA、航空管制官、年金等の日常の生活に欠かせない部門は、かろうじて業務を行っているものの皆さん無給で働いている。ベッセント財務長官は、2週間目に突入した連邦政府機関閉鎖が実態経済に打撃を与えつつあり、損失は1週間で150億ドル(2.2兆円)に及びそうだと発言している。
IRS(アメリカ内国歳入庁)でも3万5000人あまりが一時解雇されており、これは全体の46%ほどに上り、多くの部署は休業状態となっている。一時解雇から免除されているのは、人数の多い順でTax Payer Service 2万4470人、Information Technology 4552人、Small Business 4911人、 Criminal Investigation 3001人、Large Business and International Division 1039人となっているが、無給で働いていることに変わりはなく、やる気が減退していたり、病欠をして別の所で働くケースも出てきており、その運営は不安定な状況である。更に問題なのはIRS内にTaxpayer Advocate Serviceという納税者救済を迅速に行う部門があるが、ここの閉鎖も発表されている。還付を早くしてもらわないと明日の生活に困るというような人たちや、資金繰りに困っている人にとっては大変な問題である。
IRSでは当初Government Employee Fair Treatment Act of 2019 により無給で働いている連邦職員は予算が通過すれば、給与支払いサイクルとは別に、直ぐに遡及して未払い分の給与は払われるとしてきた。これは第一次トランプ政権の2018年に38日間の政府閉鎖が起きた際、政府職員を守る為にトランプが署名したものだが、今回トランプは必ずしも全ての職員の未払い給与が支払わられるわけではない、それは人によると発言した。そこでIRSは後日、職員に対し、Government Employee Fair Treatment Act of 2019の解釈を正確に行わなかったとして、後日遡及して給与を支払うかどうかにつきUpdateすると通知している。
このような最中、トランプ政権は連邦職員の削減を行うと発表し、各省でのレイオフが発表されたのである。政府閉鎖中にこのようなレイオフが行われるのは、きわめて異例で、IRSも1300名の職員が12月9日からレイオフされるとの通知を受取っている。これに対し、組合はこのレイオフは不当であり阻止すると裁判所で訴訟を起こし、現在裁判官による一時中止の命令が出されている状態だ。IRSの状況は現在混沌としており、ただでさえ繋がりにくいIRSのカスタマーサービスがどうなるのか、また本当に生活に困っている人たちがどうなるのか、今後大いに懸念されるが、以上のようなトランプ政権のレイオフや無給の公務員などの現況は、日本では考えられないどころか、想像すらできないであろう。日本の公務員ほど恵まれた待遇を受けている先進国を私は知らない。ある意味、世界一恵まれている職業だ。何といっても失業保険をかけなくてよい職は、日本では公務員だけだろう、その前提として、日本の公務員は、アメリカと異なり、悪い事さえしなければクビにはならないからである。。

★ 推薦図書。
角谷リョウ著 「50代からの快眠術」 文藝春秋11号 1250円
16万人を指導してきた睡眠コーチが究めた快眠の書である。「なかなか寝付けない」「何度もトイレに起きてしまう」「かなり早くに目が覚めてしまう」「いくら寝ても疲れが取れない」50代を境に人は睡眠の時間も質も下がってくる。50代で一日睡眠時間が6時間未満が半数を超えると厚労省は言っている。そこで眠りの欲求「睡眠圧」5つの改善策を書いている。①睡眠環境の最適化②睡眠スコアで「見える化」③「睡眠圧を高める④体をリセットする➄脳をリセットする。
枕難民が多いがマットレスを改善する、風呂を考える、また老後への不安や、管理職などのミドルエイジ・クライシスなども快眠の敵である。この本もやはりストレスが敵だとしている。

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