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日米の税務当局の悩み、「不正還付」

アメリカIRSの発表によれば、確定申告での不正還付犯罪は年間7000件にも上るそうだ。この犯罪は実在の個人になりすまし、確定申告をして、納めすぎの税金を返して貰うものである。そして実在の人物が確定申告をしたときにIRSが気づき、仰天し、騙されたと思うのである。
一方日本での確定申告の不正還付はサラリーマンに多い、何故かというとサラリーマンは年末調整で1年間の税金の始末は終わっているので、大体の人は確定申告不要である。ところがコロナの数年前から政府や企業がサラリーマンの副業を認めるようになって、事態は一変した。副業で損をしたとなると、年末調整で終わったはずの源泉徴収された税金が還付されるのである。そのため虚偽の不正申告をするサラリーマンが多くなった。税務職員がいちいち個人の数十万円の還付まで調査しきれないのである。
ところが、これを商売にしようとする輩が現れた。「トクリュウ」である。北海道から沖縄まで不正還付を繰り返した。トクリュウ・グループはSNSで募った闇バイトに国税電子申告・納税システム(e-Tax)の識別番号などを取得させ、メンバーが税務署に架空の事業内容で申告させ、副業が赤字で還付請求をしていたのである。SNSを通じて離合集散を繰り返すトクリュウは、不正還付どころか特殊詐欺、窃盗、強盗などもしている。しかし個人の確定申告をできるのも知識が必要で、確定申告会場では税務職員が付き添って確定申告をしているのが現状で、税務職員を騙せるだけの税知識と電子申告をできるテクニックが無ければ不正還付を受けることが出来ない。かなり高度な税務知識を習得したトクリュウだが、これを、かたぎのビジネスに変更しても、決して収入が下がらないと思うのだが

★ 推薦図書。
浅田次郎著 「獅子吼」 集英社文庫  780円+税
この本の主人公はライオンである。いかに戦争は人間どころか動物までも巻き込んでの悲劇であるかを、著者は見事に短編で書ききっている。太平洋戦争下、「けっして瞋(いかる)な。瞋れば命を失う」という父の教えを守り、動物園の檻の中で運命を受け入れて暮らす一頭の獅子がいた。農学校で畜産を学んだ草野二等兵に下された任務は、その獅子の射殺であった。戦時下、食料不足の日本国内で動物園の猛獣が殺された悲劇が、戦後明らかにされ、戦争を別の角度から考えさせられた1冊である。電車の中で完読できる。

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