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アメリカの宝くじ当選金13億ドル(1700億円)への課税は?

先日アメリカの宝くじMega Millionにて史上第2位の当選金13.37億ドル(1700億円)が当たり、全米の話題になったが、どうも当選者はイリノイ州の住人のようだが、名乗りを上げていない。。ただし、日本の宝くじと異なり、13.37億ドルというのは今後29年30回払いを選択した際に支払われる合計額で、一括で支払い受け取りたい場合は現在価値で計算され、780万ドル(1000億円)となる。それでも日本では夢物語だ。
日本では宝くじの当選金は非課税となっているが、アメリカでは課税対象だ。一括支払いを受けた場合の税金だが、なぜか24%しか源泉徴収されないので、ネットでの手取りは5億9300万ドル(780億円)となる。ただし、連邦税の最高税率は37%なので、来年確定申告で納付する差額の13%は大きい数字である。申告時にこの大きな差額、金額にして1憶10万ドル(140億円)の納税となる。更にイリノイ州の住民税が4.95%となるので、3860万ドル(50億円)となる。総額で1億4000万ドル(190億円)以上になるから大変だ。アメリカでは(日本もそうだと思われるが)、宝くじをあてにする人は、常日頃税金が頭にない低所得者多いので、後からこんなに税金が押し寄せてくるとは考えてもみないので、アメリカでは宝くじ当選者がよく破産宣言をするというのは有名な話である。
ここで更に注意をしなければならないのは、よく当選金額をオフィスの同僚、家族、知人で分けるという場合である。もう10年以上前になるが、アラバマ州で、あるカフェで働いていたウエイトレスが客からもらった宝くじで1000万ドル(10億円)が当たり、その賞金を彼女の家族の会社に分けようとしたが、IRSはそれを贈与と断定し、贈与税を彼女に課した。裁判となり争われたが、結局IRSが勝利し、贈与税を払うという結果になってしまった。また過去にフロリダ州のケースで、ある女性が100万ドル(1億円)の宝くじに当選、ところが、20年前に2年間同棲していた男性は、このニュースを知り、女性は宝くじが当たれば半分あげるという口約束をしたと主張し、何と、半分よこせとフロリダ州に裁判を起こしたのである、結局、州最高裁判所は、口約束だとしても交際中であれば、その約束は実効性があるとして、この女性に対し元彼氏への支払命令を出した。アメリカでは宝くじの当選金を共有する件については様々ないざこざが絶えないのである。
いざこざで裁判になった場合、その弁護士費用、和解金の税務上の取り扱いも複雑なのだ。ただ一番の問題は人にどれだけ分け与えようが、和解しようが、当選者がすべての課税義務を負うということである。それを前提で分け与えるということである。裁判になった場合、2018年の税法改正で、和解金の課税や弁護士費用の取り扱いが複雑になったので要注意だ。宝くじは低所得者層への税金だとアメリカでは言われるが、確かに彼らは一攫千金を狙い、宝くじを購入しがちだ。当たれば、手堅く運用する人も中にはいるが、税金問題を抱え、また親族、友人関係で揉め、奈落の底へ落ちるケースが後を絶たないと言われる。日本でも多額の宝くじが当たったのがわかれば、友人や親せきが、にわかに増え、不幸の始まりになる人が多いと聞く。どの国でも同じようだ。

☆ 推薦図書。
佐藤弘幸著 「仮想通貨脱税」 扶桑社 1400円+税
著者は元東京国税局資料調査課出身で小説家という異才である。物語は仮想通貨のマーケットテイカーとマルチネットワーカーが繰り広げるトークンの発行とタックスヘイブンを掛け合わせた脱税事件であるが、この脱税スキームがNFTの理解がないと、この本の理解もないということになる。いまやWEB3.0の世界である。私はこの本を読んで脱税スキームがわからない人はほとんどいないと思うが、実はNFTの入門書でもある。国税局が脱税者が仕組んだ脱税スキームが理解できない、そこで外部の力を頼って、解決するという事だが、WEB3.0には国税職員の知識がついて行けない。本当にそうだと思う。著者には次にメタバースの税務を書いてもらいたいぐらいだ。

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