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米国富裕層の日本帰国時課税の問題

Exit Taxというのがある。つまりアメリカの出国税だが、アメリカ人及びグリーンカードホルダーが市民権あるいは永住権を放棄した場合、その時点で、放棄者のアメリカにある純資産額が200万ドル(2億6000万円)以上ある場合は、その者が所有する全ての資産を、その者が放棄する前日に時価により全財産を売却したとして課税する制度である。つまりアメリカにある財産の含み益に対して課税される。この出国税には日本も見習い。日本では国外転出時課税と言われるが、日本の場合は出国時の有価証券のみが対象である。例として、出国時に取得価額100の物に30の税金をかけられて、帰国後150で売却した場合の売却益の計算は150―(100+30)=20となり取得価額のStepUpが可能となり、出国時に払った税金が費用となるのである(所得税法60条の4)
最近、日系人の高齢者が相次いで完全帰国しているが、その際、当然アメリカでExit Taxが課税される。日本と異なりアメリカは放棄する者の全財産が対象だ。株券はもちろんだが不動産や動産などありとあらゆるものだが、特に不動産と株式は長年アメリカに居住していると含み益がすごい、日本の比ではない。そこで逆に先ほどの例で、出国時にアメリカで同じく30の税金がかけられて、日本帰国後150で売却した場合には、日本では150―100=50の売却益になるのである。日米安保条約ではStepUpは認められていないのだ。このようにアメリカ富裕層が日本に転入する際はもっと複雑な税金問題が浮上する。日本には無い制度のジョイントテナンシーがある。私は常にアメリカで日本に完全帰国する人にアドバイスをしている{帰国前に預金以外の全財産を処分しないさい}と、日本では55%の課税が待っているよと。日米の税務に精通した者が極端に少ないのが現実で、帰国者があまりにも無残な課税を受けている例が多すぎる。

推薦図書。
永守重信著 「人生をひらく」 PHP研究所 1650円(税込)
編集長から頂いた本だが、ご存じ日本電産(Nidec)の創業者が困難に打ち勝つための原理原則50を書いている。50年間欠かさず実践してきた「あきらめず、すぐやる、必ずやる、出来るまでやる事」を徹底できれば、必ず人生はひらけてくるもである。
ハードワークか否かを判断する重要な観点は、スピードである。1日に16時間働いても仕事に勝てないのならハードワーキングではない。1日4時間しか働かなくても競争相手に勝ってしまうのだったら、ハードワーキングということになる。寝食を忘れ働いたとしても、相手に負けるような製品しか作れないのだったらソフトワーキングだ。ただ普通は半日勤務では勝てない。ノーベル賞受賞の研究者は少なくとも人の倍は働いているそうである。世界一になろうと思ったら、それ相応の時間をかけなければならない。
以前、「土曜日は読書で、日曜日は散歩だ」と言っている経営者から「会社を大きくしたいけど、どうしたら成功できるか?」と聞かれたとき、「あなたの成功は1000%ない」と答えました。休んで成功できるような、そんな甘い道があるはずがないからです。と

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