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東京医大前理事長、脱税(東京国税局)

2018年に発覚した東京医科大学の不正入試問題。女子や浪人回数の多い受験生の得点を減点し、合格者数を抑制していた一方、特定の受験生の得点を水増し、つまり裏口入学させていたため、文部科学省の設置した第三者委員会で実態を調べた。この結果、一連の不正を主導したとして当時の理事長、学長が引責辞任に追い込まれた。

「裏口入学」とあるからには、当然、利権、カネが動いたわけだが、当たり前のごとく東京国税局が動いた。その結果、前理事長は1年間に2000万円、5年間に1億円のおカネを収受したとして申告漏れを指摘され、また前学長は4年間で数百万円、2人ともすでに申告・納付を終えたと発表された。

年間に2000万円?たったその程度かと思う。理事長、学長は公務員ではないので賄賂での罪は問われない。しかし受験生の親などから裏口入学の謝礼として受け取った額にしては驚くほど少額。大学医学部で飛び交うカネは、今も、山崎豊子の小説「白い巨塔」から一歩も出ていない。年間2000万円であれば、患者の謝礼程度であろう。医師の紹介、入院の世話、手術の礼など・・・、さらに医局の人事など、年間2000万円などは一昔前なら製薬会社や医療機器メーカーからの御礼にも満たない。

こういったカネに、昔から税務署は立ち入らなかった。今回も高級官僚の指導問題を始め医学部不正入試など世間が騒がなかったら、大学医学部教授が受け取る謝礼に課税したくなかったろう。東京国税局長の苦渋が見て取れる。総理大臣も最高裁判所長官も、はたまた皇室も、みんなお医者さんのお世話になるのだから。

私がこのような見解を持つのは、医師、特に大学、大病院に勤務する先生方の給料は、その知識、労働に比べて安すぎるからである。アメリカとは比べようがない。いつまでたっても救急車がタダの国。不正入学はいただけないものの、給料が低い分、税金で手当てして欲しいが、そんな税法は無理だろうか。

☆ 推薦図書 ☆
山内一也著 『ウイルスの意味論』 みすず書房 2,800円+税
またしても先週に続きコロナ関連だが、この本も出版が2018年である。実は買ったとき読まずに、そのままツンドクだった。著者は東大教授でこの分野の大権威者だ。
ウイルスは「正体不明の不気味な病原体」ということばかりが注目されているが、それでは生態が正しく伝えられていない。ウイルスと細菌は、まったく別物である。細菌は細胞の中に遺伝情報(DNA)とタンパク質合成装置(酵素)を備え、独力で分裂し増殖できる。ウイルスはタンパク質合成装置がなく、独力で増殖出来ない。だが、生物の細胞に侵入すると、細胞のタンパク質合成装置を乗っ取り、大量に増殖する。多くのウイルスは、宿主に感染すると、すぐに増殖して病気を引き起こす。そして多くは体外に追いやられ死に絶える。しかし、その一方で、体内に潜伏し続けるウイルスもある。第2次世界大戦後、世界の都市化や人口増加により、ヒト、家畜、ペットの環境は一変した。この変化に伴い、ウイルスの巧妙な生存戦略で新しい増殖の場を作り上げている。
今読んで、なるほどと思える本である。

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