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日米租税条約、6年ぶりに改正

日本とアメリカ合衆国との間で締結されてきた日米租税条約が、このほど批准書の交換を行なった。平成25年1月以来、なんと6年ぶりである。日米租税条約の交渉はいつも難航する。何故かといえば、アメリカでは外国との条約の締結には、アメリカ上院(議員数100名)の3分の2以上の賛成を得なければならない。しかし慣例として、全会一致で法案を通すというのが今までである。そのため、ひとりでも反対する上院議員があれば厄介なことになる。上院議員の任期は日本の参議院議員と同じく6年である。

この種の条約にいつも反対している議員がいる。ランド議員である。彼は反対する理由として、租税条約は、お互いに情報交換規定を適用することになっていて、条約相手国がアメリカの税務情報を租税条約にもとづいてアクセスできることにあるとしている。アメリカは従来から世界中の情報を取るが、アメリカの情報は出さないという、基本事項がある。勝手な国であるが、そういう国である。ランド議員がいる間は、その様なことから日米租税条約は締結できないという観測がホワイトハウスにはあった。

ところがアメリカ上院は日米租税条約を、全会一致を破って通したのである。賛成95、反対2。当然ランド議員は反対票を投じた。外国との条約に対して初めて多数決が採用されたのである。

しかしこの新条約は、日本人の富裕層にとっては吉報かもしれない。
①アメリカの金融機関に預けてある預金の利子所得の源泉徴収税がゼロになった。
②配当所得の免税要件が改正前の持株割合50%超(12か月保有)から、持株割合50%以上(6か月保有)になった。これによってアメリカにある子会社からの配当も免税となる。
これによって、日本人富裕層のアメリカ投資はますます増加するのではないだろうか。

☆ 推薦図書 ☆
山口慎太郎著 『「家族の幸せ」の経済学』 光文社 820円+税
著名な経済学者である氏が、結婚、出産、育児を通じて「家族」についての経済学的な研究を行い、最新のデータから得られた問題を提起している。
結婚についてだが、近年、男女ともに50歳未婚率が上昇し、男の20%、女の10%が50歳時点で未婚である。原因として①子育ての暗黙の費用の上昇、②分業の利益の低下、つまり男女の収入の差が縮まり、結婚して夫が仕事、妻が家事とするメリットが減っている。
出産については、赤ちゃんの出生体重はその後の人生に大きく影響する。重いと成人後も健康で、知能指数や所得も高くなる傾向がある。最近、出生体重低下現象である。原因は妊娠中に母親が仕事をしていると、低体重児が生まれる可能性が高い。
子育てについてでも問題を提起している。育休3年間は要らない、1年で充分である。子供が1歳になれば保育園を利用しやすくなり、収入のために仕事に復帰しやすくなる。
など、この著は述べている。

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