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カリフォルニアの州税事務所のしつこさ!

日本では、国税にあたる国税局、税務署が税務調査を行い、都道府県や市町村は何もしない。国税から送られてきた資料を基に税金を徴収するだけである。しかしアメリカでは州の独立性が大きいので州独自の課税も珍しくない、いや普通である。

私どものオフィスがあるロサンゼルスのカリフォルニア州ではFranchise Tax Board(FTB)という税務当局が税金につき厳しく目を光らせていることは有名で、専門家もIRSよりもうるさい存在であると言っている。Forbesによると、FTBはアリゾナ州の住人に対して課税を行った裁判で勝訴したとあった。カリフォルニア州から他州へ引っ越したとしても、FTBはいつ、どうしてカリフォルニア州居住者でなくなったかについて調べ、居住の可否につき厳しく追及する。多くの場合、居住者でないと主張してもFTBは同意しないことで超有名。カリフォルニア州の最高税率が13.3%である(ネバダ州などはゼロである)ので、多くの人が逃れようとしているのである。

つまり、登録上の住所(日本でいう住民票)は移転したとしても、実際の生活拠点として確立できたのは数か月後だろうと判断され、それまでのカリフォルニア州での収入に対する税金は全て払えということになる。先に記述したアリゾナ州居住者のケースだが、仮にA氏とすると、A氏は個人事業主でサービスは全てカリフォルニア州外で行っていた。当然、顧客の中にはカリフォルニア州に在住している者もあったであろう。それだけでカリフォルニア州で税金を負うことになるのか?ということだが、A氏はユニタリービジネスを行っており、カリフォルニア州の配賦ルールに抵触するとFTBは判断した。アメリカでは、ユニタリータックスという言葉は繁に飛び交うが、日本的に言うと、合算課税方式を意味し、全ての所得を合算して、一定の配賦要素(売上高、資産、給与等)に基づき課税する。

A氏は、カリフォルニア州所在の会社に対して脚本サービスを行い、4万ドルの報酬を得た。ここでFTBは、このカリフォルニア州非居住者のA氏が配賦ルールに抵触しているかどうかは①~③で判断されるとしている。
①A氏がカリフォルニア州もしくは州外もしくは両方でビジネスを行っているか?
②ビジネスの形態はどのようなものであるか?
③そのビジネスはユニタリーかどうか?
裁判所は、A氏はカリフォルニア州及び州外の両方でビジネスを行っている、個人事業主である、脚本ビジネスを州内外で行っていると判断した。

そして、ユニタリーの意味だが、それについての定義はなく、しかしユニタリーでないという定義はある。ユニタリーでないという場合には、州内で行われているビジネスは州外で行っているビジネスと分離かつ区別(Separate and distinct)されている。A氏の場合は州内外において脚本ビジネスを行っていた(分離や区別はされていない。)と判断されたわけである。

もしあなたのビジネスがユニタリーである場合には、あなたが提供したサービスから生まれた収入はそのサービスの利益を受け取った場所が源泉と考えられる。サービスの利益を受け取った場所だが、今回の場合、脚本家に報酬を支払ったカリフォルニア州の会社が、カリフォルニア州でサービスの利益を受けたと結論づけたようである。今までは法人にユニタリータックスの問題が発生していたが、今後はA氏のような個人事業主も摘発されていくと思われる。

日本は中央集権的での税で、このような問題が起こらないが、反面、税金が高すぎる。

☆ 推薦図書 ☆
水野敬也/長沼直樹著 『人生はワンチャンス!』 文響社 1400円+税
大の犬好きの私だから、書店で見るなり買った。表紙が犬、中身も各ページ違った犬の写真。
タイトルは「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法を解説するとしている。
楽しく生きること、人を愛すること、協力すること、犬は私たち人間が忘れがちな「大切なこと」を思い出させてくれる素晴らしいパートナーである。この本に出てくる65の犬たち(そのうち2匹は私の飼っている犬と同種、ボストンテリアとチワワ)も、まるで生きている犬のように私たちを癒し、人生の悩みを解決するためのヒントを与えてくれる。
65の犬は、7つのカテゴリーに分類され、それぞれのカテゴリーに関する「大切なこと」を教えてくれる。久しぶりに人生の大切なことを感じる本である。

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