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キプロス問題の余波、ロシア議員離婚続出

☆ 今週の推薦図書 ☆
勝見明著 『鈴木敏文「逆転発想」の言葉95』 PHP研究所 903円
セブン&アイグループのご存知、鈴木敏文の発想法なりをまとめた本である。コンビニの一店舗あたりの売上はセブンイレブンが突出している。何故なのか。社員の頭の鍛えられ方が違うようだ。
認知コストという考え、「信じる」と「疑う」では信じる方が認知コストは軽い。多数が賛成することに従えば、認知コストはかからない。楽だ。皆が賛成することを疑うのは認知コストがかかるが、実現すれば競争相手がいないから成功はたやすい。
したがって、統計データをうのみにしたりしないこと。いつも世の中の常識を疑うことから良い発想が生まれる。また、「おいしいもの」とは「飽きるもの」であることも忘れてはならない。「おいしいもの」を作り始めると同時に、次の「おいしいもの」を作り始めなければならない。

 

前に、キプロスの財政危機でEUが財政支援する見返りとしてキプロスの銀行にある預金を封鎖して、預金そのものに課税し、その税金を財政再建の糧にするということがあった。これに対して猛反発したのはキプロス政府ではなくてロシア。これはロシアの富裕層の税逃れのためのタックスヘイブン国がキプロスであるので、事実上ロシア人の預金の一部がキプロスというかEUに盗られるということが原因である。

ロシアの富裕層。これは中国に似ているが、実は政治家、国会議員がほとんど。このためプーチンは国会議員や高級官僚らが外国の銀行口座や外国企業の株式を保有することを禁じる法案を提出し可決した。本人名義の他、配偶者や未成年の子の名義も同様としたのである。

ロシアの政治家や高級官僚の年所得が数億円はザラ。キプロスの他に人気があるバージン諸島、ケイマン諸島などで彼らが運用している。

ロシアの国会議員、特に共産党系の政治家は金儲けに走る傾向が強いので、彼らは名誉や仕事よりもカネである。ロシアは相続税や贈与税はないことから、妻に財産分与として財産を贈与しそして偽装離婚し規制の対象にならないようにした。その偽装離婚数2か月で30組、また、7人が議員辞職したとある。

日本の国会議員では考えられないことだが、日本も国会議員の資産公開がある。もちろん配偶者の資産も公開するが、そのために離婚をしたのを聞いたことがない。

仮に、このロシアの法律が日本に適用されたなら、議員の資産をソックリ配偶者に贈与して偽装離婚する者は先ずいない。かつて、議員の資産公開で、資産が無いに等しいという議員がいたが、よくよく聞いてみると、貧乏なわけでもなく、借家住まいでもなかった。立派な家に住んでいた。それでは、この豪邸は誰の所有かと聞くと、孫である。孫はもちろん未成年。一つ飛ばしての贈与である。相続税の最高税率は50%だが、いきなり孫に贈与すれば、一回あたり25%というところか。

日本の政治家は世襲が多いため、いかに直系卑属に財産を承継させるかに腐心している。選挙では偽装離婚は人気に影響があるので、そんなことはしない。子や孫を留学させて、財産を贈与するのが定番なのである。

しかし、これも税法改正でかなりやりにくくなっている。どのような手法で国会議員がそれをやるか。見ものである。鳩山元首相のように、堂々と毎月1500万円ずつ振り込まれれば、案外わからないのかもしれない。

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