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黒人差別の実態、アメリカのメディアが報じる

私は今、成田からオーストラリアに向かっている機中である。ニューヨークタイムズなどの記事を参考に書く。

 

最近、白人警察官が黒人を射殺する事件が相次ぎ、世界中の話題となっている。裁判ではミズーリ―州ファーガソン市で進められていて、ファーガソン市の市警察官の行為は黒人の公民権の侵害にあたるのではないかというものである。これについてエリックホルダー司法長官より発表があり、この白人警官は公民権侵害を犯していないものの、ファーガソン市は裁判所及び警察がグルになって黒人を不平等に扱い、食い物にしてきたというショッキングなもの。

 

ファーガソン市は黒人が多いが、警察官はほとんどが白人であり、市の歳入不足分を黒人に背負わせるという、とんでもないことをしていたという。警察は黒人が犯人でもないのに、突然警察犬を放ち、14歳の少年が大ケガをする、また、18歳の少年が公園でバスケットボールをした後、車の中で涼んでいたところを異常小児性愛者だとして逮捕されるなど、警察が市民のFirst Amendmentを犯し、常に違法な捜査や逮捕を行い、警察官同士で、誰がどれだけ多くの交通違反切符を切るかが競われていたという。この原因の一つに、裁判所や市が財政難のため反則金の収入を警察に頼っていたという現実がある。言いがかりとしか言いようのないものもある。例えば、路上での歩行マナーが悪いとして違反チケットを切られた者の95%が黒人である。

 

さらに警察官のメールの中には「2008年オバマ氏が大統領に当選をした際には、どうせ長続きはしないだろう。なぜかと言えば黒人は4年もの間、同じ仕事を保つことはない。」とか「黒人女性が堕胎のために病院に担ぎ込まれた。この女性は2週間後3000ドル(36万円)の小切手を受け取った。この女性は病院に電話をして、誰からの小切手なのかと聞いたところ、病院ではCrime Stoppersからだと返答した」とか。

 

裁判所もひどいようで、駐車違反や交通違反など、どうでもいいような違反で裁判所は年間9000もの逮捕状を出していた。これらは交通違反ビジネスとも呼ばれてもおかしくないもので、ある黒人女性は7年間に2回逮捕され、550ドルの支払いをした。ファーガソン市の統計では、黒人の警察官は8%。警察官によるピストルの使用の90%以上は黒人に対してである。

 

これらの事実はファーガソン市だけではあるまい。私はアメリカが好きだが、アメリカの抱える病根でもある。私はずっと言ってきている。「気球上から、あらゆる差別と偏見をなくさなければならない」と。粘り強く努力しなければなるまい。

 

 

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この企画は実におもしろいし真実であろう。241ページ以下の特集で、まず著名な白澤教授がこう述べている。「最初にはっきり申し上げておきましょう。健康診断は無意味です。受ける必要は一切ありません。場合によっては、むしろ害悪になるケースすらあり得る」。血圧、血糖値、BMI、コレステロール値といった基準値が病院を作る。つまり健康診断によって、本来は治療の必要のない人を病人に仕立てられてしまうことに「早期発見、早期治療」医療のまやかしがある。
科学的根拠をもとに具体的に書いている。薬や注射などより、「何を食べているか」によって健康度は決まる。その他、群馬大学病院で8人死亡、ディオバン事件など、もう一度問い直すべき時代が来ている。現実は医学部エリートが病気を作っているのだと。

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