ブログ

アメリカ人の脱税取締りの徹底

アメリカ司法省とIRS(アメリカ国税庁)は7年前にスイスUBS銀行を徹底的に調査し、アメリカ人の脱税の温床となっているUBSを挙げ、何万人ものアメリカ人の脱税を摘発したが、スイスの大手銀行8行への捜査は未だに続いている。アメリカ司法省は隠蔽されたオフショア口座につき、かなりの情報を得ている模様で、更に追求の手段を模索しているといったところか。

 

アメリカ人脱税扶助を認めた2009年以来、UBSの顧客であるアメリカ人はIRSによって運営されてきた様々なLimited-Amnesty Programに参加し、今まで隠してきたスイスの銀行口座の開示を行ってきている。口座隠蔽に対しての刑事罰を避けるために、このプログラムに参加し、これまで5万4,000人が計80億ドル(8,800億円)の追徴税を払ってきている。この結果スイスの銀行がアメリカ司法省に与えた情報は膨大なもので、この資料からアメリカ人脱税者の割り出しには充分で、これによって脱税者は怯えていると言ってもよい。

 

また、脱税目的ではなく資産運用のためにオフショア口座に預金を移した者。このプログラムはStreamlined Programといわれ、3万人が参加している。これについてはペナルティが軽く、故意に隠した者のペナルティは口座残高の50%に対し、僅か5%、しかもアメリカ人の国外居住者についてはゼロとなっている。しかし、この中には、脱税目的でオフショア口座に資金を移したにもかかわらず、このペナルティを避けるためにStreamlined Programに参加している者もいるが、司法省がスイスの銀行から入手したデータにより、これがバレるということになる。スイスの銀行から入手したアメリカ司法省やIRSのデータのなかには、驚くべきことに、スイスの銀行と顧客との電話の会話も含まれている。そうなると口座開設の意図が明らかにわかり、脱税の証拠となるのは明白だ。また、IRSから脱税の査察が入るかもしれないと感じ、口座を他国に移しているアメリカ人も、これらのデータや電話録音で細かく証拠をとられているのでアメリカ司法当局の捜査対象となっている。その捜査対象となっている者のなかでも、資金をシンガポールに移している者が厳しい捜査対象となっている。

 

この前の司法省の記者会見では、スイスの銀行がシンガポールに移したアメリカ人の口座の記録を全て、シンガポール政府がアメリカ司法省に開示したと発表があった。銀行秘密保持法があるシンガポールだが、顧客の同意をとっていると弁解していて、シンガポールの法律に従っていると言っているが、シンガポールに資金を移動した富裕層は、そうは思っていない。今や、どのオフショア市場も、タックスヘイブン国も、皆、アメリカが恐い。日本人でシンガポールに資金移動している人も少なくないが、シンガポールは外国人を守ったことはこれまで一度もない。シンガポールは資源も水も食料も自前では調達できない国なのである。長いものには巻かれろ精神である。アメリカを敵に回すことはありえない。シンガポール居住者となった、かつての東証一部オーナーなど、いつシンガポールが公表するかもわからない。そうなると隠蔽ではやはり、アメリカのデラウェアか?

 

 

☆ 推薦図書 ☆
唐池恒二著 『鉄客商売』 PHP研究所 1,500円+税
著者は九州旅客鉄道の会長である。この本はPHP研究所の私の本の編集者である人からもらった。彼の編であるこの著は「剣客商売」(池波正太郎著)と紛らわしいと言ったら、「そうです。唐池さんは時代小説、池波さんのファンです」と言ってくれたので納得した。
2013年、ななつ星の運行が始まって、日本初のクルーズトレインとか、鉄道の旅に革命を起こしたとか、メディアは絶賛した。
この本の最後に22の学びというのがある。
・何事も前向きに考える。
・難局に直面したとき、逃げずに真正面からぶつかって行くと道は必ず開ける。
・2メートル以内で語り合うと、互いに心が通じるようになる。
・夢は組織や人を元気にする。
・経営方針は、トップが自らの言葉で語る。
などなどであるが、大赤字だったJR九州の外食事業を再建し、黒字にするまでの道のりを紹介することで、経営者の何らかの参考になるのではないか。「逃げずに真正面からぶつかって行く」この言葉は、永久に削除されない座右の銘となったと、著者はいう。

関連記事

  1. トランプの税制改革、日本も学ぶべき
  2. Warren Buffettとのチャリティーランチで税額控除はい…
  3. ソフトバンクの税逃れ、日常的か?
  4. 国外脱出するか富裕日本人?アメリカでは
  5. 相続税白書に思う
  6. 日本の企業誘致、アメリカの凄さに学べ
  7. 旧村上ファンド、15億円の申告漏れ
  8. 最高裁、アメリカLPSをパススルーと認めず

アーカイブ

PAGE TOP