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日本の地価は外国人が上げる

このほど国土交通省が公表した平成30年1月1日の公示地価。なんと26年ぶりに地方の地価が上昇したというのだ。地方中枢都市の地価が0.7%であるが上昇した。商業地の地価は、全国平均で前年から1.9%上昇した。東京圏で前年比3.7%、大阪圏で4.7%、名古屋圏で3.3%上昇と、都市圏などで軒並み上昇し全国の水準を押し上げた。さらには、札幌、仙台、広島、福岡などでは7.9%の上昇。

 

これらの地方都市の上昇の原因は、紛れもなく外国人観光客によるインバウンド需要の影響である。外国人観光客が地価を最も押し上げたのは、商業地上昇率№1に輝いた人気スキーリゾートのニセコのある北海道倶知安町で、オーストラリアのおかげもあるが、なんと上昇率35.6%だった。全国の住宅地でも上昇率1位~3位が倶知安町である。次に上昇率が高いのは北から南へとび、沖縄である。商業地で県平均5.6%伸びただけでなく、住宅地で県平均5.5%、工業地14.6%の伸びで、全国平均一位の上昇率だ。

 

しかし私は思うのは、人口減少の日本で住宅地の地価が上昇するのはおかしい。世界的に見てもそうである。少子高齢化の日本、やはり歪みが生じている。全国で地価下落率が最も大きかったのは、日本海の鳥取県米子市で10.9%下落した。一方、最も地価が高かったのは、今年も東京都中央区銀座4丁目の山野楽器銀座本店前で、一坪1億7000万円である。日本の地価はオリンピックまで上昇を続けるのだろうか。

 

最大の日本の外貨獲得産業は今や「観光」。中国人が来なくなった日本を考えるだけでも身震いする人々は多いのではなかろうか。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
五木寛之著 『百歳人生を生きるヒント』 日本経済新聞出版社 780円+税
今、日本という国は未曽有の長寿時代を迎えている。経済の不安、衰えていく体の問題、介護は誰がしてくれるのか。そこにあるのは、これまでの哲学や思想で語ることのできない、100歳までの長い道をいかに歩むかという重い課題である。国連の統計によると、2007年に日本で生まれた子供の半数は、107歳以上生きると予想された。それほど長生きするのは嬉しいことなのか。「そう言われてもピンとこない」という人々が多い。親鸞のように比叡山開闢以来の神童と言われた人物でさえ、80歳を過ぎてから「字も忘れ候」という嘆きを呟いている。あれだけ博学で記憶力抜群だった人物が、いろいろな固有名詞や字を忘れ、それを嘆いていたと思うと老化に対する恐怖は計り知れないものがある。著者は85歳である。若い人が寛ぐコーヒーショップに足を踏み入れると、何とも言えない冷やかな視線を感じる。これは嫌老感だと漸くわかった。老人は高額の年金をもらい、高級車に乗り、社会保障費の恩恵を受けている。これで社会に嫌老感が起きないわけがない。80歳代は嫌われる勇気を持つ。そして何があっても、今日一日を生き延べればいいのだ。明日は明日が勝手にどうにかしてくれるのだから。長い老後のために、いくら備えておけばいいのか思い煩うこともしない。明日までの間に、何が起こるかわからない世の中、それは100歳人生時代の覚悟であると。

 

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