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ティファニー(Tiffany)

日本経済新聞社は米宝飾品大手ティファニーの1月決算は、売上高が前年同期比1%増の12億2900万ドル、純利益は3%減の1億5700ドルだったとし、純利益減少の最大要因はニューヨーク5番街にある旗艦店の不振のせいで、しかもその原因は隣のトランプタワーの警備強化に伴う来店客数の減少が大きかったとしている。5番街の店はニューヨークへの観光客であれば、誰しも覗きたくなる。かつてオードリー・ヘプバーンの「ティファニーで朝食を」で超有名になった。しかし、このティファニー家とは何なのか知っている人はほとんどないので、この機会に書いておこう。

 

ティファニー店はもともとニューヨークの雑貨屋だった初代が、たまたま幕末の時の日本の家具をニューヨーク港で陸揚げしたとき目に留まり、買い付け、それを売却したところ高額でさばけ、雑貨屋の経営の基礎ができた。

 

次にフランス2月革命のとき、パリでフランス王族の秘宝を大量に買い付け、それをニューヨークでアメリカの富裕層に売却し巨万の富を築いた。このことは後に、フランス政府からフランスの国宝を違法に国外へ持ち出したということで返還請求が出されたが、ティファニーはこれらの国宝をバラバラにして売りさばき、フランス政府の追及をうやむやにした。これはユダヤの財産を奪ったナチスと同じ手法である。

 

また、「風と共に去りぬ」ではないが、南北戦争のときは北軍の兵器をフランスから調達して大儲けした。武器商は戦争後まもなくしてやめたが、やめる前に南北戦争後大量に余った銃器を何と、その後幕末の日本に密輸出され、これでまたも大儲けした。ちなみに密輸出先は藩長の倒幕派で、幕府が長州に負けたのは銃の性能のせいだと歴史学者が述べているが、元をただせばティファニーが尊皇派を勝たせたのである。ティファニー初代は大変な政商であった。

 

2代目となると芸術的才能は大変優れていたが、時代の流れを読めず、彼の生み出したアールヌーボーは没落し、批評家たちの攻撃の的にされた。その背景には、彼の別荘地に道路を通すかどうかで地元民と訴訟になったときに、運悪く地元民側に大統領がいて、徹底的にティファニーの作品はホワイトハウスから締め出されたことも響いた。ティファニー店は銀製品とダイヤモンドで安定的な商売をして今に至るが、ガラスやインテリア部門は大赤字を出し、結局2代目は自己破産した。

 

現在のティファニーはマイケル・コワルスキーというサラリーマン社長だが、ティファニーの基礎を築いたのは、紛れもなく武器商人、死の商人といわれるニューヨーク大物の政商だったというのが日本では知られていない。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
藤田孝典著 『続・下流老人』 朝日新聞出版 760円+税
一億総疲弊社会の到来と題して「死ぬ直前まで働く」社会が始まる!下流老人は過労で死ぬというセンセーショナルな本である。自分は、あと何年働き続けられるのか、退職後はどのような生活を送ることになるのか、病気や事故、親の介護、リストラなど、何らかの事情で仕事を辞めなければならなくなったとき、どうするか。年金はきちんと出るのか、十分な貯蓄はあるのか、支えてくれる人はいるのか。私たちは、仕事を辞めても、健康で文化的な暮らしを送れるのだろうか。今日本では高齢期(65歳)になっても働き続けている人が増えている。しかし、「あなたが80歳のとき、本当に働けるだろうか」。世界一老後が過酷な国で、生きていくための解決策を示す書である。

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