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世界最高のタックスヘイブン、ラスベガス

かつて、タックスヘイブン国といえば、ケイマン、ガンジー、バミューダ、ルクセンブルク、リヒテンシュタインなどであった。しかし、世界的なディスクロージャー(情報開示)法により、これらの国のプライバシー保持はできなくなった。OECDのCommon Reporting Standard(CRS)は、個人情報(個人の住所、預金口座、証券口座)を自動的に集めて、各国でその情報を共有できることになった。しかし一方で、政治的腐敗問題を抱える国でさえ、この情報にアクセスできることから、誘拐、身代金要求の危険にさらされるリスクを富裕層が負うことになった。しかし、アメリカ合衆国は個人のプライバシー保護をプライオリティ№1と位置づけ、このCRSに唯一参加しない国となったので、今やタックスヘイブン国はアメリカになったのである。それもデラウェア州、世界中の富裕層(アメリカの非居住者をも含めて)が財産をデラウェア州に置いたところで、今まで摘発された事例は一度もない。中国の首脳陣やロシアもしかりである。匿名で会社を設立し、預金口座も作れるのである。シンガポールや香港の比ではない。最近は、ほんの少しではあるが、それを聞きつけた日本人もそこを利用している。

 

ところが、である。新たにラスベガスのあるネバダ州がデラウェア州以上の税優遇だと名乗りをあげた。アメリカは個人の財産をほとんど信託するのが慣わしだが、このほどネバダ州で「信託および財産保護法」が成立し、州が唱えたこの法律の特徴は、
①ネバダ州はIRSと情報を共有しない(日本ではありえない)
②ネバダ州は信託から生じる収入に対しては州税を非課税とする
③ネバダ州の時効(statute of limitation)は2年とする
④ネバダ州の議会はWealth ManagementやAsset Protectionに最も全米で好ましい環境作りをし、個人、法人を問わずLLCやTrustを組み合わせる手法も節税対策として提供する
しかも以下のように、デラウェア州よりも、ネバダ州がいかに優れているかも州政府が示しているのには、正直驚いた。

Nevada vs. Delaware: A Comparison
Delaware Nevada
State Corporate Tax Yes No
State Personal Income Tax Yes No
Franchise Tax Yes No
Requirement to Report Number of
Shares Issued and Outstanding Yes No
State Shares Tax Information with the I.R.S. Yes No
Requirement to Report Places of Yes No
Business Outside State of Incorporation
Requirement Report Dates and Times of Annual Yes No
Stockholders and Directors Meetings

 

 

☆ 推薦図書 ☆
監修 小川仁志、写真 小野慎二郎『柴犬まるの幸福論』 リベラル社 1100円+税
私は犬を2匹飼っている。チワワとボストンテリアである。愛犬家としては自慢できるぐらいに、散歩や教育について頑張っているつもりだ。
この本は犬を通じて人間の幸せを書いている。題材はアラン。彼は、フランスのノルマンディーに生まれ、本名はエミール・シャルディエ。フランスの高等中学校で哲学を教える傍ら、新聞連載として数多くの「ブロボ」を執筆。幸福についての93編のブロボを納めた「幸福論」は、バートランド・ラッセル、カール・ヒルティの著作と並んで「世界三大幸福論」とされる。1951年、83歳没。
この本の主人公のまるは、標準的な柴犬よりも少し大きい。ペットショップで小野氏と出会い、東日本大震災後「可愛い犬の写真でみんなを元気づけたい」と小野氏が写真を公開したところ、インスタグラムのフォロワーが250万人を超えたという。この本は、写真を見ればわかるが、まるはいつだって幸せいっぱいなんだという顔である。文章もさることながら、見開きごとに柴犬まるの表情が写っている。なんとも幸せそうになる本である。

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