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同性婚を合法とするアメリカ最高裁の判決

いやはや、たまげました。従来までキリスト教の世界では、結婚は男女間の神聖なものであるという考えであったが、アメリカの最高裁により憲法上、同性婚を合法とする判決がでた。9人の裁判官の多数決であるが、5対4のきわどい判決。この裁判官のなかにAnthony Kennedy裁判官がいる。彼はスイング票として有名で、民主・共和のどちらかに常に揺れるのである。今回も彼がどちらに揺れるかで注目を集めていたが、同性婚容認という民主に票を入れたわけである。彼はそもそもドナルド・レーガン大統領(共和党)が指名したのである。共和党からしてみれば裏切られた。彼は同性婚も差別を受けるべきではないと言っている。

 

今回の判決は同性婚を違法とする13州に対しても、この最高裁の決定に従わなければならなく、13州も同性婚に対する結婚証明書の発行を余儀なくされた。13州は保守的な中西部からバイブルベルトと呼ばれるテキサス州および南部にかけての州が多いのだが、今回テキサス州で結婚証明を発行する地方(County)の長が宗教的信条に反するとして、同性婚に対する結婚証明書を拒否している。テキサス州の司法長官も容認。このままでは、また裁判ということになる。

 

日本の報道で欠けているのは、何故、同性婚を認めよと、ここまで言うのか、同性愛者が2人で住んでいれば、それでいい。同性同士が同居しても何ら問題はないわけだが、結婚証明書が必要な理由は、ずばり「お金」であり、節税なのだ。まず毎年の確定申告で夫婦合算の申告ができる。アメリカでは夫婦間での贈与、相続は金額に関係なくすべて無制限の非課税、法律上の夫婦であれば社会保険や年金の扱いが有利になる。健康保険も配偶者としての加入が認められ、病院での面会も可能になる。さらに別れる際にも今度は離婚を理由として財産分与で訴訟という手段に訴えることもできる。しかし同性婚は家族主義的価値観、倫理観、さらには信仰の自由を損ねる問題も孕んでいる。

 

オバマ大統領も1期目は同性婚に大反対だったが、人気が落ち目になり政治的に信条を曲げた。今後は「差別」と「信仰の自由」の問題でせめぎあいが続くと思われるが、アメリカ社会の問題はいずれ日本も直面する日が来るように思える。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
大西孝弘著 『孫正義の焦燥』 日経BP社 1,500円+税
2014年6月5日、孫はペッパーと名付けられたロボットを公表し、300年後に今日が転換点だったという日になるかもしれませんとして、ロボット事業を通じてロボットが得る膨大な情報を多様なビジネスに活かそうとしている。しかし遠い先のビジネスに今のソフトバンクは力を注ぐ余裕があるのだろうか。
2013年にアメリカの携帯電話業界3位のスプリント・ネクステルを買収した。しかし現在スプリントの再建が難しくなっている。さらにソフトバンクは今でこそ大企業だが、2006年前に携帯電話事業に参入するまではベンチャー企業だった。その頃に入社した社員は街頭で商品を売り、朝まで通信設備の工事をするなど修羅場をくぐり抜けてきたが、2006年以降に入社した社員との間には大きな断層がある。ソフトバンクも社員に忍び寄る大企業病が蔓延してきている。今年8月、58歳になる孫は焦っているが、社員、利益ともままならない。さらに借入れを増やしてレバレッジをかけ、数年以内に大勝負に出る可能性は十分にあるとしている。

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