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トランプ大統領に節税の呼びかけ

トランプ氏は、IRSの業務委託先 Booz Allenの社員Charles Littlejohnがトランプ氏の申告書をNY Timesに漏洩したとして、 IRS及びアメリカ財務省を相手取り、100億ドル(1兆5000億円)の訴訟を起こしたことは以前このブログでも書いたが、裁判長は、司法省に対し、事実上原告であるトランプ氏が大統領として、被告であるIRS及び財務省並びに弁護をする司法省は大統領の支配下であり、公平な裁判が出来ないのではないかと疑問を投げかけており、今後この裁判所がそのようにこのケースを監督していくべきか5月20日までに説明しろと命令している。つまりオーナー社長が自分の会社を訴えているようなものだと。
これは正に、トランプの弁護士が現在連邦政府と和解に向けて話をしていると裁判所に報告をした直ぐ後のことで、裁判所は、この和解は結局の所、納税者がビリオネア大統領に国民の税金から和解金支払うのはおかしい、何とかしろということを危惧したものである。実際、トランプもこの訴訟は究極的に自分が自分に対し和解するということを考えている節がある。勿論トランプ大統領は、この訴訟は大統領としてではなく、個人の訴訟だと言っているが、司法省は当然、いわば上司である大統領の影響を受けると裁判長は述べている。特にトランプ氏は数多くの大統領令の中で、行政府の職員に対するコントロールを強化する目的としたものが多く、大統領の見解に反するような法の解釈を禁止するものまである。当たり前のことだが、この行政府の職員には司法長官も含まれるわけなので、その彼がIRS及び財務省を弁護することは法的な義務である一方、表向きはトランプ大統領の意見に沿った法的解釈を行わなければならないという大統領に従う義務がある。本当に司法省がIRS及び財務省を正当に弁護出来るのか、原告及び被告が相対する関係にあるのかどうか不透明であると裁判長述べている。
このように利害関係の問題は明らかであり、トランプ氏が大統領任期を終えるまで、この裁判は持ち越されるべきだという意見も多いが、裁判長はそこまでの議論には達していない。トランプ氏の申告書を漏洩したCharles Littlejohnは2024年に5年の実刑判決を受け服役中だが、彼は40万5000人の申告書にアクセスしたとされ、その内、トランプ氏は、NY Times へ、その他超富裕層であるElon Musk, Ken Griffin, Jeff Bezo等は ProPublicaへ漏洩させている。この内、Kelcy Warren氏はBooz Allenを、Ken GriffinはIRS及び財務省を相手に訴訟を起こしている。トランプ氏の訴訟好きは今始まったわけではないが、事実アメリカ大統領がIRSや財務省に対し100億ドルの訴訟を起こし、形としては国民の血税から巻き上げようというのは印象が悪い。トランプ氏は司法省を自由に操っているような状況なので、公正な裁判が行われない可能性も高く、和解金の原資が税金である以上、やはり大統領を退くまでこの裁判は待つべきである。また、今回のイラン戦争では既に250億ドル(3兆8000万円)費やしたとペンタゴンは発表している。また、One Big Beautiful Bill Actでは福祉予算が簡単に削減される一方、保守、リベラルに拘わらず、トランプ大統領が仕掛けた戦争や訴訟で国民の税金を使いまくるのはやめて欲しいというのは民主党だけでなく共和党の一部からも出だしている。一方、我が国の高市首相は税金を使いまくるのではなく、集めまくっている。食品・消費税ゼロも結局は夢物語。今オーストラリアにいる高市首相は、先日連合のメーデーに参加した折、賃上げを声高らかに叫んでいたが、一般サラリーマンで賃金が上がると、それ以上に税率と社会保険料率が高くなるのを国民はご存じなんだろうか、これも国策か。

★ 推薦図書。
奥村眞吾著 「トランプ劇場と超富裕層課税」ゴールドオンライン新書(幻冬舎)1250円 、Kindle(電子書籍)
高市内閣の益々の富裕層いじめ課税、一方、トランプ大統領が次から次へと物議を醸しだすアメリカ税制、民主党も共和党も富裕層に対しては結局、資産承継を容易にしてきた。しかも個人の金融情報を世界に秘匿し続けので、資産隠しを求めて世界中から超富裕層の資金がアメリカになだれ込んでいる。プーチン大統領や習近平などの体制が異なる指導者たちの資金や子弟も例外ではない。イラン戦争のさなかでもアメリカに投資する者が世界中に絶えない。従ってドルが強く、ニューヨーク・ダウが上がり続ける。日本人ならびっくりするようなトランプ大統領のフロリダの別荘、何代にも続くケネディ家やフォードなど歴代富裕層。日本であれば3代続かない相続税負担だが、アメリカはどのような富裕層に優しい税制なのか、それが為、世界中から集まる人とカネ。日本の富裕層にとってもけっしてアメリカを無視できない最新の事情など、知っていおきたい、いや、知らねばならないこれからの日本人の事業承継対策や相続・贈与税対策の最新kindle版である。アマゾンですぐ買える。

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