代表者ブログ

死ぬ直前の相続税対策は無意味か?

2019年09月09日

アメリカから帰って、新聞で東京地裁の判決を読んだ。
預金で1億円持って死んだら、その1億円が相続税の対象となるが、その1億円で不動産を買って死んだら、相続税の対象となるのはおよそ5000万円である。なぜなら、家屋の評価は固定資産税評価額になるからだ。そしてその家屋を貸し出せばさらに、そこから3割は低くなる。故にアパートを建てて相続税対策は、今も流行っている。

 

ところが、このほど東京地方裁判所はこれに待ったをかけたのである。事の発端は、亡くなった人が、亡くなる3年前に賃貸用不動産を8.3億円で購入、2年前にも5.5億円のものを購入、そのために銀行から10億円の借入金。2件合わせて13.8億円の不動産の相続税評価額は3.3億となり、10億円の債務と合わせて、なんと相続税はゼロとなった。

 

東京国税局がむかついたのは、賃貸不動産を買った被相続人の年齢は90歳、91歳であったこと。本件は、相続開始直前に銀行から借り入れをして、その借入金で賃貸用不動産を購入し、相続税対策をしたという極めてありふれたものである。

 

東京国税局を怒らせたのは、先ず死後すぐに、5.5億円で購入した不動産(評価額1.3億円)を5.1億円で売却したことである。見え見えの相続税対策であるので、国税局はなめられたと思うのも当然である。その次に、90歳を超えた人が10億円もの借入金を銀行からしたことである。国税局が調べたところによると、銀行の貸出稟議書には、相続税を免れるためにあえて借入れをし、不動産の購入企画、実行したものと記されている。

 

一連の対策は多分プロが仕組んだことだろうと思うが、お粗末なコンサルタントに依頼したものである。医者、弁護士、税理士は選ばなければならいと痛感した事件である。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
佐藤愛子著 『ガムシャラ人間の心得』 海竜社 1000円+税
著者独特の幸せのつかみ方の本である。著者自身は超高齢のため、この本は40代から70代に書かれた雑文をまとめたものだが、今読んでも実に面白い。
なかでも、女はすべて、美しく見られたいという願望を持っている。男は皆、偉く見られたいという欲望を持っている。偉く見られたいと思っても、そう簡単にはなれぬ仕組みになっているのが現実である。家でウイスキーを飲めばいいのに、わざわざ酒場に出かけてゆく。もてない男に限ってである。酒場の女性は、言うまでもなくサービス業であるから男を男と見るより、先に客と見る。従って偉く見られたいという男の欲望を満足させる。言葉やしぐさは商売であるから惜しみなく(殆ど習慣的に)与える。しかし、どう苦心しても偉く見えぬときは、無理してでも何か褒める。いいお車だとか、ネクタイが素敵だとか。男性をいい気分にさせるには、時間をかけた化粧よりも、肌を露出した服よりも、何よりもこの偉くみられたい欲望を満足させることであるという。そのため、男の欠点を探して「その辺があなたの限界よ」と言ってはならない。面白い本である。

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