代表者ブログ

仮想通貨を巡る税金、リブラ、アメリカ

2019年07月22日

昨日は新潟で久しぶりの講演、その後の二次会もあって大変楽しませていただいた。中島さん石田さんをはじめ皆さんに感謝です。

 

さて、仮想通貨については最近ではFacebook社によるLibraの創設が話題になっており、一方、Libraは仮想通貨ではないのではという議論もある。それはさておき、仮想通貨の税金はどうなっているのか。フォーブス誌に面白い記事があった。アメリカの国税庁(IRS)の定義では仮想通貨はPropertyであると定義されている。つまり株式と同様な扱いである。したがってアメリカでは、1年を超えて保有すれば長期投資となり優遇税率が適用される。つまり、長期キャピタルゲインが発生した場合には通常15%の税率となり、年収が夫婦合算で479,000ドル(5,000万円)、独身で425,800ドルを超えている場合には、税率は20%となる分離課税である。

 

その他の投資だが、例えば金への投資は、アメリカでは収集品と考えられているため、どんなに長く所有しようとも税率は28%となっている。これは実際の金の保有ではないSPDR Gold Shares (GLD) のようなETF((Gold)Exchange Traded Fund)についても同様だ。

 

それでは、通貨はどうなるか?答えとして、アメリカ税法では通貨は通常の所得税率で課税される。通貨もどれだけ長く所有してようが長期の優遇税率はない。また、Invesco Currency Shares Japanese Yen Trust(FXY)のような外国通貨 ETFも同様の扱いとなる。アメリカ連邦所得税の最高税率が37%だから高い税率となる。

 

それでは、商品先物取引はどうだろうか?米国では商品先物取引は税法上Section 1256 contractと呼ばれ、長期投資家にとってはあまり優遇されていない。理由の一つは、投資家は、年末までに売却を行わなくても含み益がある場合には含み益に対して毎年課税される。もう一つは、投資期間に関わらず、ゲインの60%は長期キャピタルゲイン税率、40%は短期キャピタルゲイン税率で課税される。最高税率が適用される投資家にとって混合税率は26.8%となる。

 

商品先物取引の投資は毎年含み益に対して課税されるため、長期投資には向いていないが、短期投資であれば税率が低くなる場合もあり、投資家にとって有益かもしれない。因みに、仮想通貨の先物取引もSection 1256 contractと見做される。

 

仮想通貨の税法についは、まだIRSのガイダンスが必要な部分もあるが、基本的には短期及び長期の投資税率は株式と同様な取扱いと考えてよい。ただ、Facebook社の Libraについてはテロや税金逃避、マネーロンダリング等の悪の温床になりかねない。また、中央銀行の財政政策にも影響を与えるとして米国財務省長官は懸念を表明し、トランプ大統領も「Facebook社は銀行としてのライセンスを取得し、規制を受けるべき」としている。かの投資家ジムロジャーズは「ブロックチェーンはエジソンの電気の発明と同様、人類の生活に大きく役立つ」としているが、仮想通貨はなくなると予言している。

 

 

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司馬氏が対談のなかで言っている。これは私も同感だ。キーン氏が「私はその滅亡するのをどうしても欲しない一つの民族がある。それは日本人だ。これほど興味ある太古からの文明をもっている民族を私は他に知らない。最近の日本の大発展も私には少しも不思議ではない。彼らは貧乏だが、しかし彼らは高貴だ」と。これは昭和18年、日本の敗戦が濃厚になっている時に言った言葉であるという。

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