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理念なき、来年度税制公表

このほど自民党・公明党の与党税制改正大綱が発表された。来年度税制であるが、やはり財務省主導の税制であり、昔の自民党の山中貞則税調会長のような具合に、今の野田毅会長は思うように官僚や党幹部を押さえつけることはできない。党の大綱ではいつも、減税額がいくらで、増税額はいくらというように、どちらにバランスを取るかで景気にどのように影響があるのかを推測したものである。

 

しかし、消費税の件もあって、来年度は、減税7000億円で増税7兆円と見込まれる。さらには、2015年から所得税や相続税の増税が見込まれることから、日本もいよいよ本格的な増税国家体制に入ったと見るべきだろう。減税の主なものを見れば、(1)復興特別税を1年前倒して廃止、(2)大企業の交際費を50%損金算入、(3)設備投資をすると特別減税、(4)従業員の賃金を上げれば税額軽減としている。一方、増税の主なものは、(1)消費税率を8%にする、(2)軽自動車税を1万8000円に上げる、(3)年収1200万円超のサラリーマンの増税である。つまり、減税は企業ばかりで増税は個人ばかりである。

 

メディアには「企業の活動優遇」「家計を圧迫」というような見出しが躍る。国つまり財務省は財政を盾に減税を拒む。特に世界先進国の中で突出した法人税負担を求める日本の税法に対して、経団連など経済界からの要望にもノーを言っている。欧米では財政が硬直化すると、景気刺激のため減税する国は多いが、日本は一貫して増税である。しかも来年度から個人への税金が直撃、再来年からは加速度的になる。海外法人は日本に拠点を置くことはもうないだろう。アマゾン・ドット・コムも日本の追徴課税で懲りたはずだ。それよりも、既存の日本法人が海外へ続々本社を移転する日が近づくかもしれない。既に大企業の何十社は、本社ではなく本拠を海外に移転して現地の法人税を支払っている。個人は言うまでもなく、資産フライトがますます加速していて、これは止めようもない。

 

私は不思議なのは、東大法卒のエリート官僚がこのような税法、つまり財政だけの発想で日本の税制を決める。木を見て森を見ず。この精神ひたすら突き進む、何やら戦前の関東軍ではないかと思う。

 

 

☆ 推薦図書 ☆

夏川和也監修 『日中海戦はあるか』 きずな出版 2,940円

著者は元統合幕僚会議議長。尖閣諸島での小突かれ合いの続く日中関係。中国は今や外よりも内の問題が大きく、所得格差、共産党幹部の腐敗、環境汚染、人権問題など。

政府はこれらの国内問題が一挙に噴出することを警戒している。2010年には中国全土で18万件もの抗議暴動、紛争が発生している。このような中で中国が日本に戦いを挑むことは、国際社会を敵にするようなものだが、中国は世界に向けて領有権を常にアピールしている。日本も沈黙ではなく、世界に日本の主張を反論しないと、既得権のように中国のものになってしまう。

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