私は縁あって、いくつかの奨学金給付や貸与をする公益法人の役員をやっている。そこでは応募者の中から、誰に奨学金を与えるのかの選考があるのだが、我々は経済的に困っている学生の中から、いわゆる程度の高い一流大学の学生に与えたいのだが、内閣府などの監督官庁から、特定の大学に偏らないで万遍に給付せよという行政指導があり、つまり、偏差値の低い学生も奨学生として採用しなければならない。我々としても大切な奨学金を受け取る大学生は、その金で勉学に勤しみ、将来、社会の役に立ってもらいたいわけだが、私の判断からして、失礼だが、この程度の大学生に奨学金を与えても、そのカネが遊びや、飲食代に消えるのではないかと危惧する場合がある。
今アメリカでは9月の入学(日本は4月)を控えて、親が子の奨学金が課税対象になるかどうかを見極める重要な時期である。特に富裕層では、その奨学金が課税対象と非課税対象とな るか、ならないかの区別は重要で、ならないとすれば、学生は自分の所得税率ではなく、親の所得税率で課税される場合もあるからである。大学側はIRSと学生の両方に授業料支払いと奨学金の授与を示す1098―TのFORMを送付するため、申告が必要となるケースが出てくる。
日本の場合は所得税法第9条で、学資に充てるための金品の受領は非課税となっており、奨学金の給付は、その使途の如何を問わず全て非課税となっている。
アメリカでは奨学金受領額(scholaship)のうち,何に使ったかによって、その奨学金が課税されるかどうかが決まる。日本のように、もらった奨学金で、飯を食おうがパチンコをしようが関係なく非課税とはならない。IRSの規則に従えば、大学生が受け取る奨学金は指定された教育費に使うのは非課税だが、それ以外は課税されるのである。
例をあげれば非課税となるのは、授業料(Tuition)、大学が求める諸費用、授業で必須の教科書、教材、実験に使う器具、材料費である。それ以外の寮費・家賃・食費(Room&Boad)通学費(通学定期代)パソコン代などは全て課税対象になる。厳しいのである。さらに奨学金受領者のうち、大学で教える(Teaching Assistant)や研究(Reserch Assistant)をすることを条件に支給される奨学金は全て給与所得になる。従ってアメリカでは奨学金は授業料に充てられるのは非課税で、あとは課税対象になるという考えが浸透しているが、日本では全くない。アメリカ留学を考えている諸君は日米租税条約の中でF-1ビザでの奨学金課税の解説本を是非お勧めしたい。いかに日本の学生は甘やかされているかがわかる。
★ 推薦図書。
宮本弘曉著 「AI格差」 日本評論社 2420円
AIは我々の社会にどのような影響を与えるのか、AIでの変化は人々に平等に訪れない。そしてこれから訪れるのが「AI格差」である。現在のAI革命は第4次産業革命であり第3次と異なるのは①技術のスピードが格段に速くなった②影響が知的労働者になる③人間とは何かを問われている。である。そして全ての仕事がAIによって取って変われるのか、裁判官や警察官、介護や医療など、人間やってほしいと思われる仕事をノスタルジック・ジョブというが、これからは何をAIにまかせ、何を人間に残すのかが問われ、その結果が未来社会を構築するとしている
