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トランプ税制で民主党支持者に恩恵

トランプ大統領に投票しなかった高所得の民主党支持者の地域に、税金還付金が多く発生している。これは年15万ドル(2400万円)から60万ドル(9000万円)のアメリカでいう中間所得者が、連邦所得から州や地方の税金(SALT)を大幅に控除できるようになった、トランプ税制の恩恵を受け始めている。昨年の税制改正で、所得控除の上限を1万ドルから4万ドルに引き上げたのである。日本では考えられないが、アメリカでは住民税や固定資産税は所得から一部控除されるのである。つまり地方税をたくさん払っている人は所得税が安くなるのである。日本では豪邸に住んで高額の固定資産税を払っている人も、賃貸マンションに住んでいる人も、所得額が同じなら所得税も同じである。アメリカはそうではない、トランプ税制により社会問題になっているのは、住民税や固定資産税を高額支払っている人は、所得税が減るため、ニューヨーク、ニュージャージー、カリフォルニア州に引っ越してきている。ウオール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によればカリフォルニア州、バージニア州、メリーランド州では所得税の還付金はそれぞれ21%、13%、12%増加しているとのこと。また住民税が無いフロリダ州とテキサス州はトランプの支持母体だが、6%と5%の増加にとどまっている。その理由は、固定資産税は変わりがないが州税がもともと無いからだと言える。WSJのインタビューに応じたマサチューセッツ州のある者は、24000ドル(360万円)の固定資産税を払ってきたが「トランプに耐えなければならなかった事への贈り物だ」と民主党支持者も喜んでいる。トランプ大統領は金持ち優遇税制だけではなく、残業代、チップなどの非課税制度も導入して労働者の減税にも取り組んでいるとしている。民主党支持者の一部をこのようにして共和党は取り込んでいるが、新制度は、4万ドルの上限は既婚者も独身者も対象であるが、州及び地方の税金、住宅ローン利息、慈善寄附金が標準控除額(個人で15750ドル、夫婦の場合31500ドル)を超えることが条件である。ただし所得が60万ドル(9000万円)を超えると1万ドル控除になってしまう。日本では年間所得が9000万円を超える者など僅かだが、アメリカはそうではない。つまり中間層である、恩恵は大きい。
日本は北海道に住もうが沖縄に住もうが、八丈島に住もうが所得税負担割合が同じである。これでは社会インフラが整っている東京一極集中になるのは当たり前だ。アメリカは州によって税負担割合が違う、補助金は違う、医療負担が違う。そして、住民税が無い州、あっても税率が異なるので、このように、トランプ税制によって人が移動ずるのである。こう見てみると、東京一極集中を是正する大きな決め手は、ここに住めば手取り額がこれだけ違う、という地方を創るべきだと思うが。

推薦図書。
細谷雄一著 「危機の30年」冷戦後秩序はなぜ崩壊したのか  新潮新書 1925円
米ソの冷戦終結から30年、実際は世界は平和になるはずであった。しかし今も戦争は収まるどころか拡大している。アメリカ、ロシア、中国が膨張主義的な行動で秩序を破壊している。それに代わる新秩序は見いだせない。問題はアメリカの民主主義の拡大戦略を、ロシアや中国は自国への権威主義体制に対する挑戦と認識している。グローバリズムを拡大するアメリカをロシアや中国は覇権拡大の動きとして反発、グローバリズムの拡大とともにロシアや中国など独自の文化と伝統もつ国で、様々な歪みと摩擦をもたらした、これが構造的な問題であると本書は書いている。

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