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世界の富裕層、アメリカへの移住加速

私はこれからアメリカに出発するが、その前のブログである。フィナンシャルタイムズの記事によると、外国に脱出する富裕層の数が14万2000人になったとHenry & partnersが発表したとある。イギリスが脱出国の第一位で、原因として、税制が改正されたからであることは以前のブログでも書いた。これはサッカーのイングランド・プレミアリーグ・アストンピラのオーナーであるエジプトの超富豪ナセル・サウィルス氏がロンドンからイタリアに移住したことから、イギリスの富裕層に激震が走ったのである。そしてイギリスから国外に脱出する富裕層の総資産は13兆円に上ると書いてある。富裕層の最近の流出国は、多い順ではイギリス、中国、インド、韓国、ロシアなどであるが、日本は数字にもならないほどいない。一方流入国の順位はUAE、次にアメリカ、イタリア、スイス、サウジアラビア、シンガポールである。税金がないほど低税率なUAE、しかし私に言わせればカントリーリスクは高い。相続税はないが、死ねば相続人に財産がわたる保証はないのである。一方最近の人気はアメリカである。2025年にはUAEを抜くのは確実である。これはトランプ効果である。トランプは関税が実施されれば、なにもアメリカ人から所得税や相続税を取らなくても十分、国はやっていけると言っている。資産の安全性などを考えればアメリカに勝る国は無いであろう。教育水準も世界屈指であり、トランプ政権は今後もアメリカが富裕層にとって居心地が良い国であるようにすれば、アメリカへの移住がもっと増えるであろう。
しかしアメリカで居住するには、アメリカの永住権(グリーンカード)を取らなければならない。しかし巷ではグリーンカードを取るためのコンサルティングと称して日本人を食い物にする業者もかなりいる。EB5―移民投資家プログラムを取るための費用と称して5千万円かかるなど詐欺が横行している。またアメリカへの移住についての記事や書籍は誤っているのも随分多い。世界の富裕層は今やアメリカに財産を逃げ込んでしまうと安心だと思っている者が多いが、日本人も最近わかってきている富裕層が多くなった。

★ 推薦図書。
長濱利廣著 「新型インフレ」日本経済を蝕むデフレ後遺症 朝日新書 950円+税
筆者は第一生命経済研究所主席エコノミストであるが、この本は名著である。かつての藻谷氏著の「デフレの正体」と合わせ読むと、より興味が湧く、この本によると経済停滞はさらに続き「失われた40年」の始まりが今だと書いている。物価が上がっているのに、実質賃金は下がり続けている。このような状況下でありながら日銀は政策金利を引き上げた。インフレは本来、賃金が上がり、需要が増えるのでモノが上がるのだが、今の日本はコストプッシュインフレで製造原価が上がるから製品に価格転嫁する。これを新型インフレと呼び、我々はこのコストプッシュインフレにどう立ち向かえばよいのかを本書は示している。

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