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アメリカ市民権者やグリーンカードホルダーのアメリカ離脱者が増加

Forbesの記事によると、2020年財務省資料ではアメリカ市民権者及びグリーンカードホルダーのアメリカ脱出者数が6707人に達し、過去最高となったと報じている。しかし実際はその10倍の7万人だと思われる。今までは米国籍をもった海外居住の米国人が離脱していたが、米国内での社会問題に嫌気がさし、国内離脱者も増加しているようである。米国人脱出者の行先は主にカナダ、イタリア、ポルトガル、スペイン、メキシコ、コスタリカ、ベリーズなどだ。
この離脱者数はあくまでも財務省が把握しているもので、FBIが把握している数字とは全く異なる。FBIが把握している数字はこの10倍にもあたる。一度米国籍もしくは永住権を放棄すると、アメリカでの銃器の購入が出来なくなる。この為FBIは国務省に報告されている離脱者のデータを常にアップデートしているのだ。財務省が把握している数字は、あくまで税務申告書Form 8854を提出して出国税等、税務上クリアになった人のみで、毎四半期ごとに氏名が発表されている。(日本の出国税とはかなり違う。)よく見ると、日本人の名前もかなり見かける。一方、移民法上は、海外在住米国籍保有者及び永住権者は米国大使館もしくは領事館に行き、国務省宛DS-4079もしくはI-407を提出し、審査を通れば離脱完了となる。しかし移民法上は離脱していても税務上は離脱していないこともあり、FBIと IRSの数字や考えかたに隔たりがある。注意しなければならないのは、税務上離脱しないとペナルティが課される場合が大いにあるのだ。
海外在住の米国市民権者や永住権者の税務は複雑で、ややこしいのは有名で、離脱するものが増加している大きな原因になっている。日本に居住するアメリカ人の申告は本当に面倒で、それを熟知する日本の税理士もほとんどいないのが現実だ。彼らにとってどこに住んでいようとも、アメリカIRSに、毎年、全世界の所得を申告しなければならないからである。特に2010年にForeign Account Tax Compliance Act (FATCA)が発効し、アメリカ国外の銀行は米国財務省宛米国市民権者及び永住者の所有する口座の詳細の開示が厳しく義務付けられ、それを怠ると厳しいペナルティが課されるようになった。また、これによりアメリカ国外の銀行が米国人の口座開設を嫌がる銀行が増えてきた。更に、財務省はFATCA以前に存在していた Foreign Bank Account Reporting (FBAR)の開示を厳しく求められるようになり、 いよいよアメリカ国外在住の米国市民権者及び永住権者は、市民権及び永住権を持つ事自体重荷になってきたのである。
先ほどのForm 8854は、いわゆるExit Tax(アメリカの出国税)に相当する者が納税者になる、これにはいくつかの基準があり、それを満たすとExit Taxを払うことになる。グリーンカードホルダーにとり大きな基準は過去15年間に8年以上米国に在住する者がターゲットになるが、永住権を取って海外に住んでいても、租税条約上米国の非居住者であることの申告をしていなければ米国の在住としてカウントされるので注意が必要だ(このあたりが税務上のテクニック)

☆ 推薦図書。
Joseph E.Useinski著 北村京子訳 「陰謀論入門」作品社 2640円
陰謀とは、権力を持つ個人からなる少人数の集団が、自分達の利益のために、公共の利益に反して秘密裏に行動する。陰謀論とは過去、現在、未来の出来事や状況の説明において、その主な原因に陰謀を挙げるものを指す。例えばケネディ大統領暗殺事件だ。調査委員会は、犯人を断定しているにもかかわらず、これまで数えきれない人たちは、そうではないという筋書きを主張してきている。9.11テロもそうだ。未だに陰謀論者が公式見解に疑問を呈した論を述べている。人は主観的な世界観を通して真実を解釈する。そのため他人には嘘だと思える陰謀論を信じる。2016年にイギリスで行われた「EU離脱国民投票」だ、離脱に賛成票を投じた人の多くは虚偽の主張にもとずいて行動していた。例えばイギリスに入ってくる移民の本当の数や、そこにかかる国民負担は隠蔽されていると信じていたのである。そしてなんと離脱に賛成投票した人の46%は、投票用紙に鉛筆を使うと書き換えられると信じ、ペンで記入したというのである。
この本はそうしたことを踏まえ、陰謀論は権力に対しての嫌悪感が一因としている。

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