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アメリカ中古住宅購入での節税方法は終焉したのか?

令和2年まで富裕層の所得税対策として、築20年以上経過した木造中古住宅を購入し、4年で減価償却費を取るのが一部流行となった。ロサンジェルスなど空気の乾燥した地域では木造住宅で築100年以上も珍しくない。そして値段といえばビバリーヒルズあたりでは数億円の住宅は普通である。仮に2億円の賃貸住宅を購入すると4年で減価償却するから1年あたり5000万円が経費として落とせる。不動産所得がマイナス5000万円なら、日本での所得1億円ある人でも差し引き5000万円の所得に変わる。年間所得4000万円以上は所得税+住民税は55%の日本であるから、何と2750万円の節税になるのである。この節税策は都会の富裕層で、ひそかにはやったが、だんだん、大胆に10億円規模でやる輩が出現しだし、税金を納めるどころか、何千万円の還付を確定申告で受ける者も珍しくなくなった。そこで、国税当局が乗り出し、この中古建物の4年償却は、令和2年の税制改正で認められなくなったのである。そうなると中古建物であっても22年で償却、間便法の4年では海外建物はダメということになった。それでも密かにアメリカ木造住宅を購入して節税を図っている者もいる。依然として節税を図れるのは、よくよく税法を理解し、その対策を図っているからだ。この令和2年に改正税制で変更になったのは租税特別措置法41条の4の3の「耐用年数を財務省令で定めるところにより算定」とは租税特別措置法施行規則18条の24の21項を差し、それは「国外中古建物の不動産所得に係る損益通算の特例」の事で、以下のとおりである。イ、当該建物の使用可能期間を当該建物が所在して国の法令に基づく耐用年数に相当する年数としている旨を明らかにする書類 ロ、不動産鑑定士又は当該建物の所在している国における不動産鑑定士に相当する資格を有する者の当該建物の使用期間を見積もった旨を証する書類 ハ、(省略)
つまりビバリーヒルズの中古住宅を購入して、カリフォルニア州のしかるべく不動産鑑定士に耐用年数を見積もってもらった書類があれば、4年とまではいかないまでも短期間で償却できるということである。私は極めて専門的な条文等を今回書いたが、節税は、特に海外モノはこれくらいの条文をすぐに読みこなせる税理士などの専門家に相談する必要があるが、残念ながら大多数は雑誌などで知識を得る。根拠条文を読まない事には税法を理解できない。私は常々、医者、弁護士、税理士を選び損ねると人生大きな失敗になると言っている。

推薦図書。
グレンコ・アンドリュー著 「ロシア・ウクライナ戦争の行方」 扶桑社新書 1210円
2022年2月24日に始まったロシア軍の侵略。その原因は西側だ。ソ連崩壊後、旧ソ連諸国への内政干渉を行うロシアをそのままに放置し、経済支援などを行った。そのためロシアの国力は増大しウクライナ戦争でもびくともしなくなった。この戦争で漁夫の利を得たのは習近平である。戦争で弱体化するロシアをしり目に、ますます独裁国家のリーダーの地位を固めつつある。
今回の戦争で西側諸国のロシアへの認識が改まり、防衛力強化やウクライナに武器供与となっている、ロシアは停戦を望まず、長期化を狙っている。なぜなら戦争が長引けば、人口の多いロシアはウクライナに勝利できると確信しているからである。

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