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税金滞納者にはパスポートを発給せず。アメリカ

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アメリカIRSは税金滞納者36万2000人に対し、パスポートを発給しないと通告した。これは2015年に5万1000ドル(600万円)を超える税金滞納者にはパスポートを発給しないとする法律が国会で可決(このブログでも当時書いた)したことによる。今年になってIRSは国務省と連携し、取り締まりを本格的に強化しだした。

 

現在、アメリカIRSは税金滞納者リストを順次アメリカ国務省に提出している。ただ、IRSの発表によると現在所持しているパスポートは、そのまま適用し、更新時にアウトになるということだそうだ。

 

このようなことから、効き目が徐々に出てきており、先月末での統計によると、パスポートの更新ができないのを恐れ、一人が100万ドル(1億1000万円)の延滞税を支払い、その他220人の延滞者は1150万ドル(12億円)を支払ったとされている。その他、延滞者のうち1400人が、一度に払えないから分割払いの申し出をしているそうである。

 

効果はあるものの、このIRSのやり方に反発している者もある。IRSは国務省に報告する前に、延滞者本人に少なくとも30日前に通知しなければならないと謳っている。これはDepartment of Health and Human Servicesが2500ドル(28万円)以上の養育費を延滞している親にパスポート発給の拒否をする際に、国務省通告の30日前に警告をする方法と同様だ。

 

5万1000ドルの滞納額だが、本税、延滞利息、加算税を含んだ額であるが、FBARC(Foreign Bank and Financial Reporting)のペナルティーは含まない。ただ、パスポート発給拒否を免れる者として、IRSと現在、申告について協議中の者、争っている者、滞納税は認めるものの分割払いに応じている者などである。また、Identity Theftの犠牲者、“non-collectible” hardshipと認定された者、破産宣告を受けた者、自然災害の犠牲者、従軍している者は除かれるとしている。そして、パスポートの更新ができないと、アメリカに戻れないアメリカ人がいるので、国務省は緊急事態、人道的な理由の場合には、アメリカに帰国できるようパスポートを発行するとしている。

 

IRSから税金滞納者リストが国務省に送られる。そのリストに載っている者がパスポートの申請をした場合、国務省はその申請を90日間保留し、その間に滞納税金が支払われればパスポートを発行するが、そうでない者に対してはパスポートの発行をしない。問題なのは、国外に住むアメリカ人。彼らの現住所を正確に把握しきっていないので、郵便物が「宛先不明」で戻ってくる場合もある。このような法律ができれば、厄介な問題も新たに出てくる。

 

しかし、日本も考えなければいけないのは、税金滞納者や国民年金滞納者がハワイやグアムで遊んでいる。せめて国民年金滞納者にはパスポートを発行しないなどの措置がとれないものか。

 

 

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百田尚樹著 『クラシック 天才たちの到達点』 PHP研究所 1950円+税
この著者がこれほど音楽に詳しいとは知らなかった。この著に、私が一番同感したのはベートーヴェン「ピアノソナタ第32番」を、「第四変奏はまさに幽玄の世界である。そしてこの変奏曲の最後の部分で、私は天使が天上から舞い降りてくる姿を見る。ここはもう涙なしには聴くことができない」と書いている。ベートーヴェンをはじめモーツァルト、ショパンなどは、いかにして、この神秘的な世界に達したのか。偉大な芸術家は決して同じところに留まっていない。常に進化し、変容している。生涯を音楽に捧げた歴史に残る大作曲家たちは、亡くなる直前まで、曲を書き続けていた。大作曲家は若いときにはセンチメンタルな旋律を使った美しい曲や、華やかな曲を書くが、晩年になると枯淡の味わいとも言えるような落ち着いた曲を書くようになる。これは聴衆のためにではなく、自分のために書かれているからである。
本の中ほどにリヒャルト・シュトラウスが出てくるが、彼が41歳の時に書いた有名な「サロメ」。このオペラは聖書のマタイ伝とマルコ伝に出てくるヨハネの処刑の話であり、気味の悪い物語である。普通の作曲家なら、こんな物語をオペラにしようとは思わないが。サロメの狂気と猟奇性を音で表現したときの威力は凄まじいものがある。サロメがヨカナーンに何度も拒絶されても「口づけさせて!」とせがむ。まさに恋に狂った女の狂気を音で表現させたシュトラウス。天才である。・・・などなど、私も知らなかった天才音楽家の神秘的な部分が書かれている。

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