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日本の脱税事犯

査察、いわゆる「マルサ」は悪質な脱税者を刑事告発し、罰則を科し、善良な納税者との公平感を保つために国税当局が制度として機能させている。このほどの国税庁は前年度の脱税状況を公表した。それによると1年間の刑事告発件数は101件、その脱税総額は89億円、1件当たりの脱税額は8800万円ということだ。
消費税関係では、同一の高級腕時計のシリアルナンバーや不正に入手したパスポートの写しを用いて書類を偽造することで、架空の課税仕入れ及び架空の輸出免税売り上げを計上し、多額の消費税の還付を受けていた事件、また同じく偽装パスポートを利用してコンビニで販売していた免税商品について架空の免税売り上げを計上し、これまた多額の消費税の還付を受けていた事件、消費税関係の脱税は10%になってから、消費税を活用した脱税はすさまじく、売上の1割も税金が還付されるとみて脱税が相次いでいる、輸出免税を利用するため、どうしても(偽造)パスポートが必要になり、その種のパスポート偽造専門ヤミ業者もいるようだ。
目新しいのは、今回の国税庁の発表で、初めて「脱税請負人」という言葉が飛び出したことだ。「脱税請負人」が作成した脱税スキームは①インターネット上の物品の転売やそのノウハウの指南を業とする者が架空の経費や売上を除外することで所得を圧縮する②半導体製造工場の建設が盛んな地域における工場内設備業者が架空の経費を計上することで黒字を圧縮、などなど、つまり「脱税請負人」の主な仕事は、いかにも、あろうである経費を捏造する仕事で、架空の見積書や請求書をそれらしく見せ、作ることであるそうだ。さらに今回令和5年の裁判では、一審判決83件すべてに有罪判決が言い渡され、9人に対して実刑判決が下ったとしている。一つは、免税ドラッグストアにおいて、外国人旅行者に化粧品を販売したかのように装い、架空の輸出免税売上を計上することにより多額の消費税の還付を受けていた事件、これは法人の代表者に懲役4年、不正加担者に懲役3年の実刑判決。また別の事件では、詐欺、横領により得た所得を申告せず多額の所得税を逃れたとして懲役6年の実刑判決が(詐欺、業務上横領、所得税法違反の併合罪)もあった。もともと詐欺や横領、あるいは盗み、恐喝などで得た収入を、わざわざ確定申告する者もいないが、最近は所得税法違反で、横領した額より多額の税金がかかる場合があることを犯罪者は認識すべきで、違法で得た収入が多額なら所得税法違反で無申告加算税、重加算税、延滞税、それに住民税も課されるので、奪った額よりも多くの金額を国が収奪することになる、それを回避するには、犯罪者はとにかく不正収入を「雑所得」で内容を書かずに申告・納税していれば、このようなことにならないが、いままでそうした者がいないのもわかる気がする。
しかし、日本では脱税者に対しては欧米諸国より甘い。欧米では刑務所に行くのも多数いるが、全財産没収も珍しくない。日本人は、まだまだ交通違反と同じで脱税が見つかったのは「運が悪かっただけ」と思う輩が多いので、国も真剣に処罰を考えないといけない。
ただ今回の国税庁の発表で意外だったのは、脱税したカネをどうしたかだが、1番多かったのはフェラーリやランボルギーニなどの超高級車両の購入だという。刑務所の塀の上を歩いてまでフェラーリに乗りたいのだろうか?それから、いつものことだが脱税隠蔽したカネをどこに隠して、そして見つけられたのか?第一は「天井裏」二番目は「階段下収納」、これは長年変わらない、脱税者の勉強は足らないのが明らかである。

☆ 推薦図書。
小沢洋子、小川郁、門田愛美著 「目耳口のアンチエイジング」 文藝春秋七月号 1100円
自分のカラダは自分で守ろうということをテーマに、見る、聞く、食べる、日常生活に欠かせない「目」「耳」「口」の健康をどうキープするかに老後はかかっている。「目」は加齢性眼疾患には気を付けないといけないが、最も注意しなければならないのは「網膜」の病気であるが、決定的な予防法があるわけではない。「ルテイン」「ゼアキサンチン」「ビタミンC」などを多く含む食事をとるのが一番だとか。「耳」は悪くなると認知症まっしぐらだそうである。最近の耳の老化の原因はイヤホン難聴だそうで、イヤホンの音量で器官が壊れる。次に加齢性難聴は75歳以上の半数、85歳以上では8割が難聴。決定的な治療法がないので、まず耳鼻科の医師からの指導で補聴器を付けることが必須。通販などでは集音性のイヤホンが多く出回っているので、これはダメ。「口」口の老化は歯周病が大敵、粗食や嚥下に必要な筋力も衰え、唾液分泌料が減り、口腔機能は年齢とともに低下していくので必ず定期的に歯科医を訪ね、検診が必要であると、また75歳を過ぎてインプラントは必要ないと医学的根拠をもとに解説している。50歳を過ぎた人には為になる本である。

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