ブログ

トランプ大統領候補の節税対策~その1~

アメリカ共和党の大統領候補トランプは、ホテルやゴルフコースに使用されている110以上ものトレードマークをデラウェア州の法人に移した。U.S. Patent and Trademark officeによると、これらのトレードマークには”Trump National Golf Course”, Trump Tower, Mar-a-Lago(フロリダ州パームビーチにあるプライベートクラブ)など、アメリカではよく知られたものもあるが、”Trumptini”というピンクレモネードを合わせたマティーニもある。しかし、なぜデラウェア州の法人に移したかといえば、アメリカでは常識であるが、デラウェア州ではロイヤルティーがどれほどの金額であっても非課税ということである。

 

ここで、疑問点がいくつかあがっている。なぜ、今までトランプ個人がそのようなトレードマークを所有していたのか。そして、節税対策というのであれば、トランプぐらいの富裕者では誰でも知っているデラウェア州に会社を置く節税対策を、なぜ以前からしていなかったのかということである。大統領選を目前にして不可解である。これについて、トランプの顧問弁護士も事態が複雑すぎて説明できないと言っている。

 

以前のブログに何回も書いたが、アメリカ大統領候補で自身の税金の確定申告書を公表していない者はいない。これについて、トランプは現在、税務調査が入っているので開示できないと言っているが、彼には毎年税務調査が入っているので、これでは永久に確定申告書は公表できないということだろうか。トランプ側の広報は、トランプが申告書を公表していないのは大きな問題ではない。なぜなら彼の申告書は大変複雑で、開示するとなれば誰もが驚くと言っている。

 

ブルーンバーグ誌によると、トランプは税金をできるだけ払わないと公言しており、5月13日のABCニュースでも”I fight very hard to pay as little as possible”と言っていて(日本では考えられない)、トランプのキャンペーンマネージャーも”Mr. Trump is proud to pay a lower tax rate, the lowest tax rate possible”と、堂々と述べている。一方、彼の顧問弁護士 Alan Gardenは係争中の裁判のDepositionで「トランプ個人で500以上のトレードマークを所有しており、論理的には所有に関して39.6%の最高税率で税金を納めているので問題ないと言っている。

 

いずれにしても、この時期にデラウェア州に会社を移すのかと思うが、アメリカでは、パナマ以上に税の恩恵がある州。次回はトランプの節税策(日本のマスメディアが書かない)をブログで披露してみたい。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
倉都康行著 『地政学リスク』 ダイヤモンド社 1,800円+税
地政学という言葉は新しい言葉で、アメリカの同時多発テロ(9.11)事件で初めて使われた。しかし今や地政学のリスクは世界を脅かす。
今日的な地政学リスクは以下の5つに類型化できる。
①宗教対立に潜む経済問題
ヨーロッパに移民してゆくイスラム教徒への差別や貧困が原因でテロなどの事件が発生している。宗教問題の根源には経済格差がある。
②民族意識と経済の論理
クルド人、ウィグル民族など少数民族との武力衝突が生じる国に投資家は不安を抱いている。中国のチベット民族との問題など、中国経済にとっての地政学リスクが急浮上しかねない。
③イデオロギー闘争
G7サミット参加の民主主義国家と異なり、中国が非効率な資本配分や企業経営から脱するには改革が必要だと思われるが、共産党の一党独裁を守るという命題を考えるなら、ロシア同様アメリカとは異なる経済イデオロギーを捨てることはできない。
④民主化運動と経済意識
国内経済が悪化すると、民主化運動が起こる。古くはプラハの春。そして天安門事件だ。2010年にはチュニジアで起きたジャスミン革命、これがアラブの春となる。今もこの地政学的リスクが避けられない。
⑤環境破壊と金融市場
ハリケーンや温暖化現象、特に温暖化ガス削減の問題は大きい。イングランド銀行のカーニー総裁は「環境問題を考えれば、現在確認されている化石燃料の埋蔵量の多くは利用できなくなり、金融市場は多額の損失を被るであろう」としている。
以上のことから、近未来で起こる可能性が高いのは、サウジ王家の崩壊リスク、プーチン大統領の失脚リスク、そして中国共産党の弱体化リスクであるとしている。特に習近平主席の地位の失脚リスクが現実的である。とした本である。

関連記事

  1. アメリカ富裕層のトップ400人の税金は
  2. トランプ大統領の確定申告書とロシア疑惑
  3. 税金滞納者にはパスポートを発給せず。アメリカ
  4. 日米租税条約、6年ぶりに改正
  5. トランプ大統領候補の節税対策~その2~
  6. マイナンバー制度大丈夫?アメリカでは大変な騒ぎ(IRS)
  7. 日本人の外国籍利用による贈与税回避を封じる
  8. 脱税密告者(Whistleblower)の報奨金 IRSが実態公…

アーカイブ

PAGE TOP