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インフルエンサー女史の脱税

風邪のインフルエンザではなくインフルエンサー、インフルエンサー(influence)とは本来、世間の人々に対して大きな影響力を持つ人の事を意味する。首相や時の人、今や大谷翔平なんかも該当する。最近はインターネット上で強い影響力を持つ個人ブロガーなどもそれに当てはまる。そのようなインフルエンサーが活躍するのはSNSだ、SNSはプラットフォームごとに特徴があり異なる長所短所がある。よってインフルエンサーの投稿やコミュニケーションにも違いが生じる。それを企業が利用し宣伝に使うのをインフルエンサー・マーケティングというが、優秀なインフルエンサーには多額の報酬が入る。このほど、このインフルエンサーの女性9人に東京国税局の調査が入った。結果なんと9億円の申告漏れ。この女性9人はインスタグラムや動画投稿サイトのユーチューブなどで数万人のフォロワーがいる、化粧品や健康食品など、ビフォーアフターなどSNSを介して「ぜひ試してみては」で儲けていたが、ほとんど申告していなかった。このうちの一人は得た収入を海外のペーパーカンパニーの収入として偽装し、実に巧妙に日本での課税を免れていた。ここまでくると「申告しなければならないとは知りませんでした」と初犯の女性が言い逃れをする常套文句は使えない。立派な確信犯である。インフルエンサーによる広告は拡大を続けていて、今年の市場規模は800億円、SNSのフォロワーが100万人を超える者もいて、このようなインフルエンサーには。芸能人やプロスポーツ選手など名前が知られている人が多い。フォロワー数万のインフルエンサーでもこのような脱税事件が起こる。今年は有名人が東京国税局に摘発される可能性は高いとみている。

☆ 推薦図書。
奧村眞吾著 「こう変わる‼ 令和5年度の税制改正」 実務出版 2420円
改正ポイントと対応策がズバリわかるという例年の書である。今年は岸田内閣の唱える「資産倍増プラン」実現に沿った税制である。相続・贈与制度を見直し、円滑な生前贈与を後押しするために相続時精算課税制度や暦年贈与の仕組みを大幅に変え、今後の相続税対策に大きな影響を与えることになった。また世界から立ち遅れてきた経済を立て直すためスタートアップ企業への投資を呼び込むための税制も創設し、オープンイノベーション促進税制を立ち上げた。さらには現行の暗号資産であるトークン税制では人的資産が海外に逃げるため、これにも手を打った。電子帳簿制度や消費税のインボイス制度の改正など、令和5年度税制は盛りだくさんになったが、本書は、これらをわかりやすく、図解や事例を要所にいれ徹底的に工夫を凝らした実務書である。自画自賛か

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