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セクハラ訴訟和解金は必要経費か?アメリカ

アメリカでいくつものレストランを所有し、Food Network テレビ番組で米国版料理の鉄人として活躍したマリオ・バタリ氏と彼のビジネスパートナーであるJoe Bastinaich 氏は2017年に元従業員等20名からセクハラで訴えられ、Forbes誌によれば先日60万ドルで和解をしたとの報道があった。しかもバタリ氏は、まだ別の2名からの民事訴訟と刑事訴訟を抱えている。
さて、このようなセクハラ関連の和解金だが、2004年アメリカ議会はセクハラの多い雇用関係の訴訟に関する弁護士費用は所得控除出来るという法律を成立させたが、2017年12月のトランプの税制改革では、それは出来ないと改正され。そうなると、個人や法人がセクハラ関係で訴訟を起こされ和解した場合、和解金や弁護士費用を経費扱いすることを禁止するもので、本来被告を税法上罰するものであったが、訴えるほうの原告の弁護士費用も控除出来ないことになってしまった、原告が和解金を受取る際も確定申告で課税扱いとなる。勿論、言葉であろうが身体的であろうが、被害者には様々な悪影響を及ぼすわけだが、アメリカの税法では身体的な被害であれば和解金は非課税であると定めている。(日本も同じ)そこで問題になるのが身体的な被害の「身体的」が、どう定義されているかである。セクハラ訴訟では、心理的であっても身体的なコンタクトがなければその和解金は非課税にはならない(日本はなる。)。ここで重要なのは、変な事かもしれないが、事の経緯及び順番等がIRSにとっては重要なことなのだ。もし、そのセクハラが感情的にストレスを引き起こしたとすれば、和解金は課税になる。ところが、もしセクハラが身体的な病気を引き起こしたとすれば、和解金は非課税になる。つまり、もしあなたが身体的に病気になる、もしくは身体的な被害を受けた、そしてそれが原因で感情的にストレスを引き起こしたとすればそれは非課税になる。また心的外傷後ストレス障害(PTSD)も身体的な病気として非課税となる。ここで重要なのは、和解契約書でこの順番をどう記述するかである。また、これは和解金を払う際発行する1099にどう記載するかにも関係してくる。(Form1099を解説するにはスペースの関係もあり省略)
気をつけなければいけないことは、最高裁は成功報酬型の弁護士を使う場合には、例え40%が弁護士費用であっても、原告に和解金全額を払われると見做すと判決をしている。つまり、原告はこの弁護士費用を経費だと言える方法を見つける必要があるとされた。益々和解契約書の文言が重要になる。
勿論IRSが全面的に和解契約書に従うわけではないが、リーズナブルな内容であれば同意する可能性は高くなる。従って、この身体的、感情的な被害や病気の関係が益々重要となる。セクハラでないにしても仕事でのストレスが心臓発作を引き越した、または既存の多発性硬化症を悪化させた等、身体的な障害を和解契約書に記述することも見られる。日本の税法上の取り扱いはない、しかしアメリカでは和解契約書の署名する前に税金上のアドバイスを受けけることはますます重要となってきている。日本も過重労働やパワハラ、セクハラの問題が多く出ているので、税法上の扱いをそろそろ決めなければと思う

☆ 推薦図書。
中藤玲著 「安い日本」価格が示す停滞 日経BP 850円+税
日本のディズニーランドの入園料は世界で最安値、東京都港区の年平均1200万円は、アメリカ・サンフランシスコでは、まさに低所得者なのである。昔は東南アジアに買い物に出かけた、安いからである、今では東南アジアから日本に買い物に来る、日本は安いからである。1977年に100円ショップが誕生した。43年たった今もある。韓国では100ウオンショップが260ウオンショップになった。コロナ禍でもワンコインでランチが食べられる特殊な国になったとあるが、30年間デフレ状態が続き、貧しい国民になったことを自覚すべきではないかと。私もそう思う、アメリカではこの5年間で平均賃金が20%上がった。先進国で時間当たりの最低賃金が1000円を割っているのは日本だけである。

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