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ビットコインと脱税、アメリカ発

7年前、1万ビットコインでPapa John’s Pizzasを2枚ほどが30ドル(3400円)で購入できたが、今では、それが7400万ドル(80億円)となっているので驚きである。アメリカの国税当局(IRS)がこれに目をつけ、アメリカ大手のオンライン取引所であるCoinbase Inc社に対し、顧客の取引記録を開示せよという召喚状を発し、その後同社とIRSとの間でかなり長い間やり取りが続いていて、裁判沙汰にもなった。

 

Bloomberg誌によると、最近になって裁判所はCoinbase Inc社の主張を退け、判決では「IRSはアメリカ国民のだれがビットコインで稼いでいるかを調査するのは合法であり、IRSにその権限を与えなければならない」とする一方で、「Coinbase Incにも嘆願する時間を与えねばならない」とした。

 

IRSはCoinbase Incに対して当初は全顧客情報を出せという指示をしたが、その後、2013年から2015年の3年間の情報でよいという指示に狭めた。それでも、その期間に該当する情報の数は890万取引、1万4355口座にもなり、Coinbase Incはそれでも範囲が大きすぎるとし、個人情報の守秘義務を盾に開示を拒否してきた。

 

Coinbase Incの発表によると、2013年から2015年の3年間で50万人のコインビット利用者がいるというが、IRSはこの3年間に毎年900人しかコインビットによる所得を申告していないという。2014年にIRSは、通常の通貨に換金できる仮想通貨は全て「物」であるとしている。そうなると仮想通貨での利益は全てGainとなる。

 

Coinbase Incは2012年にサンフランシスコに設立され、1220万人の利用者がおり、32か国に4100万ものVirtual Currency Walletsを展開し、これまで400億ドル(4兆5000億円)もの仮想通貨を取引してきた。11月2にはCME Groupがビットコインの先物を年末まで取り扱うと発表して、24時間以内にCoinbase Incの利用者が10万人も増加した。

 

The Digital and Ledger Defense Coalition(弁護士や大学教授等を中心にブロックチェーン技術の革新を行う権利を守る為に設立された非営利団体)もCoinbase Incを支持しており、「IRSは脱税している者を見つけるためにMassive Fishing Expeditionに出ているようなものだ。見つければ自分たちの誤った行動を正当化できる思惑がありありだ」とし、「まずは、IRSは不正の証拠を出すべきだ」と主張している。

 

このようにアメリカでは、ビットコインについてIRSでは脱税の温床になっていると思っている。そしてFBIでは、ビットコインの取引は匿名性が高く、トレースが難しいことから、マネーロンダリング、サイバー犯罪者による身代金の要求、テロリストによる資金融通場所として犯罪の温床になっていると考えている。

 

ビットコインの利用者は今後増加すると考えられるが、これまで以上にIRSやアメリカ司法省によるビットコイン関係者の召喚状が増える。ビットコイン利用者のリスクはアメリカでは増大する。日本政府は脳天気だが。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
ロッシェル・カップ、大野和基共著 『英語の品格』 集英社インターナショナル 700円+税
Please、Whyなどを安易に使うとトラブルに、グロービッシュのような今流行の簡略化した英語では真意は伝わらない。英語は、けっして大雑把でストレートな言語ではなく、日本人が考えるより、はるかに繊細で豊かな表現に溢れている。日本語と英語とその文化に精通した著者が、ビジネスや日常生活ですぐに役立つスキルを分かりやすく伝授している。相手を思いやる婉曲表現、人間関係を円滑にする丁寧で気の利いた言い回しなど、ちょっとした工夫で、品格のある英語を話せるようになるとしている。
例えば、ビジネスで、賛成できないことを伝える場合、
I disagree with you(賛成できません)という表現は現実的ではない。
I have a different opinions, I have a different view, I’m thinking of it in another wayなどという表現を実際は使う。さらに次のように言うと、相手は気持ちよく話を進めようとする。
I’m not sure that’s the best approach. Let’s discuss it some more. あるいは、I think we need to give it some further thought. などなど。
英語は奥深いが、私は日本語も同様で、断る日本語も、表現の仕方によって随分相手に与える感情が異なる。「アメリカ人はストレートな表現を好むので、断るときにNOと言えばいい」と間違った考えを持っている日本人は多い。日本でも京都の言葉は参考になるのではないか。

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