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海外中古建物での節税策を封じる?

LAでのシーホークス対ラムズの試合は良かった。7万8千人満員。帰国後の翌日12日に「令和2年税制改正大綱」が発表された。

超富裕層が心配していた、国外に賃貸用不動産を持って、減価償却費で赤字にし、国内所得と通算して税金の還付を受けるという算段。中古建物を取得した場合、その耐用年数は「簡便法」によると、法定耐用年数を経過した物なら20%である。木造家屋の耐用年数は22年であるから、22年を経過した建物を取得すると22年×20%=4.4年、切り捨てで4年となる(ちなみに、アメリカでは新築も中古も耐用年数に差がなく一律39年半である)。仮に1億円で22年経過後の木造アパートの建物を購入すると、毎年2500万円の減価償却費が出る。個人の所得税・住民税の最高税率は55%だから、毎年1300万円以上の税金が戻ってくる。おいしい話である。しかもアメリカなんかでは減価償却後の建物も減価せず、買った時以上の高値で売却できる。そして譲渡益には20%の分離課税で済む。

世論では富裕層の節税に繋がり、低所得者が恩恵にあずからないということで、批判が相次いだ。これも、おかしなことである。もともと低所得者はそんなに税金を払っていないのだから、節税対策など存在しないはずである。しかし政府は、富裕層も貧者も1票は1票、ということで、いやいや対策に乗り出した。

令和2年の税制改正大綱では、こう謳っている。「令和3年以後、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合において国外不動産所得の損失の金額があるときは、その損失はなかったものとみなす。ただし、その減価償却の方法として「関便法」を使用している場合で、国外中古建物の耐用年数を所在地国の発行する一定書類の添付がある場合を除く」としている。

私は、この新法はある意味ザル法で、普通の富裕層は打撃を受けるが超富裕に関係のない新法だと言っている。この意味が分からない自称税金のプロは失格である。

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野村克也著 『プロ野球 堕落論』 宝島社新書 900円+税
なぜ、今のプロ野球はつまらないのか、なぜ、プロ意識がここまで欠如したか。今年の巨人は、原辰徳が監督に復帰し、FAで丸佳浩を獲得するなど大補強を行った。その効果もあって、5年ぶりのリーグ優勝。それはひとえに、他の5球団のだらしなさが原因だ。このように、巨人の独走を許し、緊張感のないシーズンになってしまった要因は何なのか?現在のプロ野球をつぶさに検証してみると、さまざまな問題が浮かび上がってくる。
水原茂、三原、鶴岡、川上哲治、西本幸雄など歴史に残る名監督を並べ立てて、比較しているのでかわいそうだが、現在のプロ野球指導者たちは無知無能な面が多々である。面白いのは、イチロウは指導者としてはだめで、自分自身も言っているが「人望がないから、絶対無理」を評価している。これは正直で評価できるとしている。逆に松井が巨人軍の監督になることを勧めている。星陵高校時代の監督山下氏が教えた「心が変われば行動が変わる」を実践していたそうだ。
野村克也氏は言う。「指導者になるためには、万人に理解してもらえる言葉が必要だ。それにはなるべく、たくさん本を読むこと。本は知識の泉である」けだしそうである。私も本を読んでない人の話は、どんな経験を積んだ人でも軽くしか感じない。人生の重みには本は必須である。

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